大きく下がってからの「弱気相場入り」は、選択肢が少ない

 最近よく目にするのが、「弱気相場入りした」という専門家や投資系ユーチューバーらのコメントです。

 一般には株価指数が20%下落すると弱気相場入りした、とされます。

 この考え方では、株価指数が20%下落するまでは、その株価下落は「押し目」になり、逆張りで買いを狙う機会となります。

 ところが、株価指数が20%以上下落すると、弱気相場になったということで買いを控えるべき、となるのです。

 でも、弱気相場入りする前は、専門家やユーチューバーらの「逆張りで押し目買い!」といったコメントを信じて買い向かった個人投資家が数多くいて、彼らの多くは日々損失が膨らむことになり、悩んでいます。

 大きく株価が下がって塩漬け株が生じた状態からでは、取り得る選択肢は「我慢して持ち続ける」「投げ売りする」「ナンピン買いする」といったところでしょう。

 選択肢がかなり狭まってしまい、かつどの選択肢も多額の損失につながりかねないということを理解する必要があります。

 実際、筆者がリーマン・ショックで大失敗したのは、株価下落を我慢してしまい、それでも下落が止まらない中、半ばパニック気味に投げ売りをしてしまったことが原因です。

 でも、信用取引も行ってレバレッジをかけていましたので、投げ売りせず我慢して持ち続けていたならば、全財産が全て吹き飛んでいたのです。

 上昇相場でどんなに利益を上げていても、下落相場で利益を吹き飛ばし、大きな損失を被ってしまっては意味がありません。下落相場を小さな傷で乗り切る術を身に付ける必要があります。

事前に下がったらどうするかを決めておくことが重要

 では、どんなにひどい下落相場でも大きく負けずに生き残るためにはどうすればよいのでしょうか?

 筆者はリーマン・ショックでの大失敗以降、必ずルールを守り、それを実行することで何度となく訪れた大きな下落を乗り切ることができています。

 それは、いつも申し上げている通り「25日移動平均線割れで保有株を売却・損切りする」というルールです。

 大きく株価が下がっている頃には、ほとんどの銘柄が25日移動平均線を大きく下回っています。でも、25日移動平均線を割り込むのは株価下落の初期段階です。そのため、かなり株価が高い時点で売却・損切りすることができます。

 株価下落が進展してからでは、ナンピン買いなどもってのほかなので、「我慢して持ち続ける」「安値で投げ売りする」のどちらかしか選択肢がありません。そしてこの両方とも、大きな損失を生じさせてしまう行為です。

 25日移動平均線割れで売却というのは筆者が用いているルールにすぎず、これにこだわる必要はもちろんありません。

 ただ、株価が想定を超えて大きく下落してしまうことに備え、株価が大きく下落する前に売却できるようなルールをしっかりと作り、それを実行するようにしてください。

 もう一つは25日移動平均線割れの間は買わないというものです。これを実践すれば、下落相場が続いている間は手を出すことがなくなります。

 株価が下がっている途中に逆張りで買い向かった結果、さらに株価が下落して身動きがとれなくなってしまう、という事態を防ぐことができるのです。

 くれぐれも下落相場を甘く見ないようにしてくださいね。それがリーマン・ショックで大ケガをした筆者からの強いメッセージです。

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