三菱UFJと三井住友FGは、前期に続き今期も増配

 三菱UFJと三井住友FGは、増配を続けています。みずほは前期増配しましたが、収益・財務の改善が遅れているので、今期の配当金は据え置きです。

3メガ銀行の1株当たり配当金:2017年3月期実績~2023年3月期(会社予想)

出所:各社決算資料より作成、みずほの1株当たり配当金は株式併合を考慮して修正

三菱UFJは自社株買いも発表

 三菱UFJは、増配に加え、今期上限3,000億円(発行済総株式数の4.7%)の自社株買いを発表しました。これで、特別配当4.7%を出すのと同等のメリットが投資家に及びます。

 上限まで自社株買いをやると、発行済み株式数が4.7%減ります。すると、純利益の総額は変わらなくても、1株当たり利益が約4.7%増えます。PER評価が変わらなければ、株価は4.7%上昇することになります。予想配当利回り4.4%(5月18日時点)に加え、4.7%の自社株買いが行われれば、とても魅力的な株主への利益還元となります。

 三井住友FGは、昨年11月に発表した自社株買いをまだやっていないので、今回の決算発表で、新規に設定する自社株買いはありませんでした。

 財務良好、収益基盤・キャッシュフローも安定的な三菱UFJと三井住友FGは、ともに、株主への利益配分に積極的です。それでも、2社を比較すると、三菱UFJの方が、より大きな還元をしていることがわかります。予想配当利回りだけで比較すると、5月18日時点で三菱UFJ4.4%・三井住友FG5.4%と、三井住友FGの方が高いですが、自社株買いまで含めたトータルの還元では三菱の方が魅力的です。2社とも「強い買い」推奨ですが、比較すると三菱UFJの方がより投資価値が高いと判断しています。