ナスダックと向き合う投資戦略:長期投資姿勢を堅持

 いまだ株式市場を取り巻く投資環境には厳しいものがありますが、本稿では長期投資を前提とするナスダック100指数のパフォーマンス実績に注目したいと思います。図表4は、1991年以降のナスダック100指数の推移を対数チャートで振り返ったものです。

 大小の調整局面を経て、約30年で約60倍に成長してきたパフォーマンスが分かります。この期間の年率平均リターンは「+16.2%」でした。

 参考までに、同じ期間(1991年以降)のS&P500指数のパフォーマンスは約12倍(年率平均リターンは+9.5%)でしたので、市場平均に対するナスダック100の優勢が分かります。ナスダック100指数は毎年12月に銘柄の入れ替えが実施されます。新陳代謝とリスク(リターンのブレ)を繰り返しながら、S&P500指数の成長をしのいできました。

 リスクを加味した長期リターンの面からみると、ナスダック100指数は「史上最強の株価指数」と言えるかもしれません。株価が下落した局面では、インデックスファンド(株価指数連動型ファンド)などを活用してナスダック100指数の長期トレンドを享受する投資を実践することが可能です。

 米国籍ETF(上場投資信託)の「インベスコQQQトラスト・シリーズ1」(ティッカー:QQQ)は米国市場で人気が高く、運用純資産は約1,602億ドル(約21.3兆円)に及んでいます。ITバブルの最中だった1999年3月に設定されたQQQの好調・不調は、(当然のことながら)ナスダック100指数の好調・不調と連動してきました。

 東証上場ETFとしては「NEXT FUNDS NASDAQ-100」(東証コード:1545)などがあります。長期目線で成長期待の高いナスダック100指数の回復基調を見込むなら、取引価格や基準価額が安くなったインデックスファンドを活用し、時間分散投資を実践することを検討したいと思います。

<図表4:ナスダック100指数の長期パフォーマンスを振り返る>

(出所)Bloombergより楽天証券経済研究所作成(1991年初~2022年5月11日)

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