本格的な物価上昇局面の到来

 かつて、インフレ2.0%の政策目標なんて言っているうちは、なんとか国内経済の回復基調を明確にしたいというメッセージだったかもしれませんが、最近の物価上昇はコントロールが困難な状況にドライブしつつあるようにみえます。

 世界的なインフレ傾向、急激な円安、資源や食材料の価格上昇、人件費の上昇などが生じており、これがついに国内で値上げ傾向として表れ始めました。しかも、5%あるいは10%といった大きな値上げを各所で起こし始めています。

 すでにエネルギー価格の上昇は生じており、こちらも深刻です。ガソリン代、電気代、ガス代といった生活の基盤となるコストは昨年比で20%強の上昇幅であるからです。

 ここしばらく明確になってきたのは、食品の値上げ傾向でしょう。食パン、菓子、清涼飲料水、カップ麺…毎月のように値上げ情報が紹介されています。

 しかも、業界最大手の値上げがあると、それに即座に追随するライバル社の値上げがあったり、長年価格据え置きをしてきた看板商品がついに大幅値上げを決断したりと、企業が原材料価格の上昇を努力の範囲で吸収しきれない状況も見えてきました。

 さて、物価高は経済ニュースとして投資家にも気になるところですが、価格転嫁と業績への影響を考えるばかりがテーマではありません。

 今回は個人投資家が、物価上昇局面で考えておくべきポイントを3つほどまとめてみたいと思います。