過去を否定し「花の山」に向かう

 前回と今回の2回に分けて、「コモディティ投資で勝つために必要なこと」を書きました。以下は、そのエッセンスです。

・市場環境は年々複雑化、よって「現在の常識」は複雑
・「材料の俯瞰と影響力の足し引き」は「現在の常識」の柱
・時間軸が異なるテーマを用いて材料を俯瞰、各種材料起因の影響力を足し引きする
・精度が高い見通し作成に上記が有用

 また以下は、こうしたエッセンスをより有効に活用するための、筆者が考える、現在の市場関係者が「密になるべき」要素です。

・材料を俯瞰すること (過去の常識(近視眼的見方)の逆)
・今を凝視すること (過去の成功体験重視の逆)
・人に流されないこと (集団心理重視の逆)

 相場格言に「人の行く裏に道あり花の山」があります。今なお「過去の常識」にとらわれている市場関係者が多いと感じます。いち早く「現在の常識」を取り入れ、「材料の俯瞰と影響力の足し引き」を実践できた人が「花の山」にたどり着けると、筆者は考えています。

[参考] 化学肥料関連銘柄

 ロシアとその同盟国である隣国ベラルーシは、化学肥料の一つ「カリ肥料」の輸出大国です。1位のカナダに次ぐ2位・3位で、合わせて世界全体の20%弱のシェアを占めています。(2020年 OECD(経済協力開発機構)のデータより)

図:サカタのタネ(1377 東証P)とニュートリエン(NTR NYSE)の株価

出所:ブルームバーグのデータより筆者作成

 化学肥料に関連する国内外企業の株価が、ロシアのウクライナ侵攻直後から騰勢を強めています。ロシアとベラルーシが出し渋りをして世界的に化学肥料が不足する懸念が、こうした企業のビジネスが活発化するとの思惑を生んでいるためだと、考えられます。

サカタのタネ(1377 東証P)
ニュートリエン(NTR NYSE)