リセッションの場合
米国経済がソフトランディングしないのであればそれは景気後退が来ることを意味します。実際、景気後退の前兆だといわれている10年債利回り-2年債利回り=0の状態は既に4月第一週に発生しています。
普通、上のチャートに見られるように長短金利差が「0」になるとその1年から2年後くらいに景気後退が襲ってきます。
その場合、投資家は何を予期しないといけないのでしょうか?
普通、景気後退が到来する少し前に株式市場が大きく崩れ、高値から▲20%とか▲40%というような大きな下げ相場になることが知られています。
つまり我々はいずれそのような大きな下げが来ることに対し日頃から心の準備をしなければいけないということです。
ただし、ここが肝心な箇所なのですが、それは明日にでもすぐ株式を全部処分してしまうということでは断じてありません!
なぜなら1年から2年先というのはとても長い時間であり、その間にもマーケットは上昇し得るからです。
むしろ適切な対処の仕方は今後もしマーケットがズルズル下げる場面があれば意地を張らずポートフォリオに占める株式の割合を少し減らすというような柔軟なアプローチだと思います。
投資家の記憶は短く今月上に述べたような長短金利差「0」の状態が発生したことはあと1年もすれば大半の投資家は忘れてしまっているでしょう。そして皆がカンカンの強気になったときに大きなベアマーケットが襲い掛かるというのが相場の常です。
だから相場が高い間は自然体でそれについて行き、(何だかもうからなくなったぞ)と思ったときは欲をかかず守りの姿勢に転じるという柔軟な態度でよいと思います。