米国高配当株2:ダウ・インク(DOW)

 世界最大級の素材・化学メーカーです。ダウ・デュポンから、素材化学を専門に扱う「ダウ・インク」として独立しました。分社化後も変わらず、「NYダウ」「S&P100」などの主要指数に採用されています。

 時価総額は455億ドルで、日本円で約5兆7,000億円となっています(USD=125円換算)。

事業の注目ポイント

 事業の中心は「包装&特殊プラスチック事業(Packaging & Specialty Plastics)」で、続いて「工業用中間体&インフラストラクチャー事業(Industrial Intermediates & Infrastructure)」、「パフォーマンス材料&コーティング事業(Performance Materials & Coatings)」となります。

「包装&特殊プラスチック事業」では、ポリオレフィン製品やエチレン、プロピレンなどを製造し、「工業用中間体&インフラストラクチャー事業」では家電製品、エレクトロニクス、洗浄・除菌用界面活性剤、石油・ガスなど多様な市場セグメントに酸化エチレンと酸化プロピレンの誘導体を製造・販売しています。

競合他社

 競合他社として、高度なポリマーソリューションセグメントを通じて運営する、プラスチック、化学薬品および精製会社であるライオンデルバセル・インダストリーズ(LYB)、子会社を通して営業している、工業ガスおよびエンジニアリング会社であるリンデ(LIN)、プラスチックとラテックスバインダーを製造するグローバルな材料ソリューションプロバイダーであるトリンセオ(TSE)などがあります。

株式の注目ポイント

 株価は昨年の高値まで戻っていません。また、配当は分社以降横ばいで推移しています。

 コロナの発生直後は株価が下落したものの、好調な業績を背景に株価は回復し、現在はコロナ発生前の水準を超えて推移しています。

 今後は、原材料価格の上昇にどのように対応していくかで株価の明暗が分かれそうです。

業績動向

 2022年1月27日開示の四半期決算では、1株利益・売上ともに市場予想を上回りました。

 ダウ・インクの製品に対する旺盛な需要により価格が上昇し、すべての事業セグメント、地域において前年同期から売上が増加しました。

 今後も、電子機器や建設用化学品など、ダウ・インク製品への需要増加が予想されており、さらなる業績拡大が期待されます。

 次回は2022年4月21日に四半期決算の開示予定ですが、市場予想を上回る数字を出せるか注目です。

注意点

 次回決算において、直近の資源価格上昇による業績の修正などの可能性があり、その点には注意が必要です。

株価動向、配当利回り紹介

配当:2.8ドル
配当利回り:4.51%
株価:61.95ドル(約7,700円)

 この銘柄、権利落ち日は5月下旬予定(権利実施は6月中旬予定)です。

 配当利回りは4月11日時点で4.51%、株価は61.95ドルでおよそ7,700円から購入できます(1USD=125円計算)。2019年3月からの最高値は70.91ドル、最安値は22.00ドルとなっています(終値ベース)。

※ダウ・デュポンから分社化のため、2019年3月20日からの株価で算出。