今日の為替ウォーキング

今日の一言

どんなことでも成し遂げるまでは実行不可能に見えるものだ - ネルソン・マンデラ

Walking On Sunshine

 利上げか、景気対策か、それが問題だ。ウクライナ戦争が加速させた資源価格の上昇は、世界に価格上昇と成長デフレを同時に発生させた。FRB(米連邦準備制度理事会)もECB(欧州中央銀行)も、そして日銀も、先進国の中央銀行はみな、矛盾する2つの政策の選択を迫られている。

 労働コストの上昇と物価高を懸念するなら、中央銀行は利上げを続け、過熱しすぎた景気を冷やして経済成長をトレンド以下に抑える必要がある。逆に、新型コロナによる需要の変化が経済成長を鈍化させ、失業率を上昇させることを心配するならば、中央銀行はより慎重な引き締めを行う必要がある。

 FRBは、成長をある程度犠牲にしても、インフレを制御して価格を安定する政策を優先した。FOMC(米連邦公開市場委員会)は3月の定例会合において、政策金利の0.25ポイント引き上げを決定し、次回5月の会合ではさらに大幅に0.50ポイントの利上げを実施する考えだ。利上げに加えてバランスシート縮小にも着手するとブレイナード理事は明言している。

 日銀は対照的に、インフレ上昇には目をつぶり、経済の下支えを最優先に考えて、緩和政策の継続を決定した。日銀は、我が国の経済が新型コロナからまだ立ち直っていないと判断し、必要ならば「ちゅうちょなく追加緩和」する姿勢である。

 しかし、マイナス金利が長く続くほど、銀行の収益性と貸出活動の両方が「低下する」ことは、これまでの調査で明らかになっている。日銀はマイナス金利によって、銀行の貸出を増やし経済を活性化させようとしてきた。しかしマイナス金利下での貸出増加は最初の1年間だけで、その後2年間は貸出が減少し、当初の増加分を取り返す以上に減少するとう結果がでている。

今週の 重要経済指標

出所:楽天証券作成