今日の為替ウォーキング

今日の一言

大胆な者は大胆でない者に対して、つねに勝つ

I Can Wait Forever

 どこまで円安に行くか?ひとつのメドは、2015年6月につけた高値125.85円だ。黒田日銀総裁が当時の円安相場に対して口先介入を行った水準で、「黒田シーリング」と呼ばれるドル/円の心理的な上限である。

 今年の円相場は、115円台からスタートして3月28日に125.09円をつけた。2015年前半の相場も今年と動きが似ていて、1月に115.85円から円安に向かい3月には122円台に乗せた。ただし円安のスピードでいえば、今年の方が断然早い。

 今週、黒田総裁が「為替相場の変動はやや急だと思う」と発言したが、円安を止める効果はないようだ。緩やかな円安ならば容認すると解釈できるからだ。

 2015年の時は、5月に124円台、6月にはついに125.85円まで円安が進んだところで黒田総裁の登場となった。この時は「実質実効為替レートでは、かなりの円安の水準になっている。ここからさらに実質円安に振れるということはなかなかありそうにない」と、具体的な水準に言及したことで、ドル/円が反転した。もっとも、現在の円の実質実効為替レートは、すでに半世紀ぶりの安さになっている。

 日銀の口先介入だけでは円安は止まらないというのが大方の意見だ。この円安は日銀の政策に根差しているからだ。円安が反転するためには、日銀が量的緩和政策を見直すか、あるいは実弾介入をしなければ難しいだろう。

 125.80円を超えると、2002年以来20年ぶりの円安時代を迎えることになる。さすがにその水準では日銀はなんらかのアクションをとる必要があるだろう。日本のインフレが急上昇すれば、岸田政権の支持率にもかかわってくる。

今週の 重要経済指標

出所:楽天証券作成