FOMC結果を受けて、米国株は大幅上昇

 FOMCの結果は、ほぼ事前予想通りでサプライズはありませんが、イベント通過で米国株は大幅に上昇。16日のNYダウ(ダウ工業株30種平均)は1.5%、ナスダック総合指数は3.8%の大幅高でした。

 インフレが2月に7.9%と40年ぶりの高さに上昇したことへの懸念はあるものの、米景気は好調を保つ見通しで、利上げは0.25%ずつと斬新的に進められる見通しとなったことが好感されました。

 また、一時1バレル130ドルまで高騰していたWTI原油先物(期近)が、足元95ドル台まで急反落していることも、安心感につながりました。為替市場ではドル高が進み、一時1ドル119円がつきました。その後118円台で推移しています。

 過去の経験則では、米景気が過熱から失速に向かい、米国株が本格的な調整に入るのは、米長短金利が逆転してからです。リーマンショック前の2006~2007年、コロナショック前の2018年に見られたことです。

 16日の米長期(10年)金利は、政策発表後に一時2.24%まで上昇しました。その後、2.2%前後で推移しています。FF金利(中央値で0.375%)とのスプレッドはまだ大きく、過去の経験則では米国株が本格的な調整に入るシグナルはありません。

 米国株の上昇には、ウクライナでの停戦協議で進展が見られる期待も含まれており、ウクライナ情勢次第でまた反落する可能性はあります。それでも、米国株調整の主因となっていた利上げピッチについて、一定の示唆があったことが、安心感となって16日の米国株は大幅上昇となりました。