今日の為替ウォーキング

今日の一言

勝つことがすべてではない。勝ちたいと思うことこそがすべてなのだ。

One More Night

 ウクライナ戦争は、エネルギー価格の上昇という形になって現れている。価格の一時的な急騰は、大した問題ではない。真の問題とは、エネルギー価格が長期間高止まりするおそれが高まっていることだ。

 9日に発表された米国の中小企業の景気指数であるNFIB中小企業楽観指数は、新型コロナ感染が拡大した2020年3月以来の最低水準まで悪化した。中小企業の多くは、「高インフレが最大の懸念」と回答している。10日に発表された米2月CPI(消費者物価指数)は、1980年代以来の高水準だ。このデータにはウクライナ戦争の影響が含まれていないので、来月はさらに上昇するのは、ほぼ確実だ。

 今夜(日本時間17日明け方)、FOMC(米連邦公開市場委員会)は利上げを発表する予定だ。ウクライナ戦争が始まったとき、米金利の見通しを下方修正する動きが一時的に強まったが、利上げを遅らせてインフレ暴走を許すことは米経済成長にとってマイナスとの考えが今では優勢だ。

 利上げをする、しないはすでに決着がついていて、今は最終着地レートがどこまで高くなるかということが議論になっている。利上げのスタイルも重要だ。最初に大きく利上げしたあと、効果を見るためしばらく休止するのか。それとも、小刻みに利上げサイクルを継続していくのか。

 マーケットが予想する2022年末のFF金利(米政策金利)の上限レートは、1.75%を超えるまでになっている(現在0.25%)。今年のFOMC会合は、今回を含めてあと7回(3月、5月、6月、7月、9月、11月、12月)。つまり1.75%という水準は、FOMCが7回の会合のうち6回利上げするという予想になる(0.25% + 0.25% x 6回 =1.75%)。

 途中で利上げ休止があった場合は、その後の会合で0.5パーセント利上げして帳尻を合わせる可能性の方が高い。パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長もこれについて認めている。また、今年末の金利予想が2.00%を超えるまで上昇するなら、マーケットは0.5%の利上げを織り込んだということになる。

今週の 重要経済指標

出所:楽天証券作成