インフレは沈静化に向かう

 それでは何故年初来米国株はいいとこなしでズルズル下がってきたのか? ということですが、それは市場参加者がインフレを警戒したからです。実際、足元の消費者物価指数は前年比7.9%で推移しています。

 インフレになっている主な理由は賃金の上昇と原油価格の上昇です。

 賃金上昇に関しては2月の平均時給が前月比わずか1¢しか上昇しなかったことからも上昇の勢いに衰えが見え始めています。

 ロシア産原油・天然ガスの輸入禁止措置は一見すると大きなニュースのように思えるのですが実際には需給関係に与える影響は軽微です。

 ガソリン価格の上昇は需要の減退を招くと思われます。それは原油価格が下落に転じることを示唆しています。

 これらのことからインフレはほどなく沈静化に向かうと思われます。そのとき株式市場はそれを好感するはずです。

長期投資とマーケットの変動

 iDeCoや積立NISAは長期に渡り一定の金額を時間をずらして買い付けてゆくタイプの貯蓄の仕組みです。

 マーケットは上昇・下落のうねりを作りながら長期では右肩上がりで上昇する傾向がありますが、このような定期的な買い付け方法を行うと結果として買い付けコストを均す効果が出ます。

 そのような手法をドルコスト平均法と呼びます。

 ドルコスト平均法は「マーケットタイミングよりもコツコツと定期的に買い足してゆく方が成功する投資にとっては重要」とする立場であり、私もこのような「良い習慣」を強く支持します。

 それに加えて今は上に書いたような理由でマーケットは押し目を作っているわけですから良いリズムで長期の積立を開始できる好機と言えると思います。