iDeCoやつみたてNISAで賢く積立投資

 毎日、軽い気持ちで消費しているお金を例えるものとして「ラテ・マネー」あるいは「ラテ・ファクター」という言葉があります。米国の人気FP(ファイナンシャルプランナー)の一人デビッド・バック氏が提唱した言葉です。

 日々の生活の中で軽い気持ちで使っている無駄遣いを見つけることができ、それをiDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)やつみたてNISA(ニーサ:少額投資非課税制度)に回して積立投資ができれば、私たちが抱えるお金の不安のほとんどは解消するということを意味しています。

 大事なことは無駄遣いを見つけ出し、それを自動積立で入金し続けること、そして取り崩しを戒めることです。

 そう考えると、「ラテ・マネーの発見」だけでは十分ではなく、「iDeCoやつみたてNISAの活用による自動積立」を組み合わせていくことで、未来のお金の不安を大きく解消させることができます。

 企業年金がある会社員の場合、iDeCoに月1万2,000円の積立が可能です。これはまさにラテ・マネーに相当する金額を老後に向けて積み立てるということです。

 実際には新社会人から続けられないでしょうが、その場合は企業年金がない会社員のiDeCo月2万3,000円、あるいはつみたてNISAの月3万3,000円という積立額が、スタートが遅くても未来の安心を手に入れる現実的な枠だということになります。

あなたの「ラテ・マネー」を見つけよう

 もう一度強調しますが、あなたの家計にはどこかに必ず「ラテ・マネー」があります。それはコーヒーの形を取っていないことが多いでしょう(キャッチーな言葉なのでついついイメージが引きずられがちですが)。

 人によっては未利用のまま課金し続けるサブスクリプション(定額課金)サービスかもしれません。あるいは使用頻度が少ない服の衝動買い、パッケージも開封していない「積みゲー」などの買い控えが月1万円のコストカットになるかもしれません。

 ほとんど読まない定期購読雑誌、半分飲んだら捨てているアルコール飲料、乗り換えれば半額にできるスマホ料金など、あなたにとっての「ラテ・マネー」はさまざまです。ぜひ、自分の無駄遣いを見つけてみてください。

 ラテ・マネーを探すには、家計簿アプリを利用した「見える化」が役に立ちます。無駄遣いのほとんどは「見えない」からこそ毎日のように消えてしまっているためです。

 家計簿の支出項目を一つ一つ洗ってみてください。軽い気持ちで消費していて、無意識に、また無感動にお金だけ減っている項目が削りどころです。

 そして、その削ることができたお金を、自動的に積み立てしましょう。iDeCoやつみたてNISAが優れているのは、税制優遇だけではなく、「自動引き落とし」する強制貯蓄の仕組みが備わっていることなのです。

 しばしば、自動引き落としは購入タイミングを見極められないから、あまりいい投資方法ではないと言われます。しかし「ベストではないから、積み立てを実行しなかった」となれば、資産は何も増えません。それよりはずっと、積立投資を自動化したほうがベターです。

 あなたのラテ・マネー、投資に使うことで、ぜひ未来の財産に変えてみませんか。