マザーズは波に乗ることが大切

 常々申し上げていることですが、私がファンドマネジャー時代に、マザーズ株のトレーディングで気を付けていたことは「波に乗る」ことです。銘柄選択はもちろん大切ですが、それ以上に大切なのが波に乗ることです。

 というのは、マザーズ株は上がる時も下がる時も値動きがきわめて大きく、一方通行になることが多いからです。以下のチャートでわかる通り、上がるときはいい銘柄も悪い銘柄も上がり、下がるときはいい銘柄も悪い銘柄も下がる傾向があります。一生懸命、企業調査して良い銘柄を選んだつもりでも、下げ相場では、なす術もなく下がります。

 2021年以降、いい銘柄も悪い銘柄もなんでも下げる相場が続いただけに、ここで少しだけ買ってみたいという気持ちになります。

東証マザーズ指数の月次推移:2016年1月末~2022年3月1日

出所:QUICKより作成

 ただし、私が今申し上げていることは、マザーズ株に対する私自身の「鉄則」に反することです。私が鉄則と考えてきたことは、マザーズ株でトレーディングするならば、東証マザーズ指数の13週移動平均線が上向きの時を選ぶということです。以下の通り、13週移動平均線はまだ、真っ逆さまに落ちていくところです。

東証マザーズ指数(週次推移)と、13週移動平均線:2016年末~2022年3月1日

出所:QUICKより作成

 落ちてくるナイフをつかむ買い方をするときは、ちょっと買ってだめなら損切り、またちょっと買ってだめなら損切り、を繰り返していました。そのうちに、大底をつかんだと思ったら、買い乗せしていくというのが、私のファンドマネジャー時代のやり方でした。

 そういう忙しい売買をする時間のない方は、東証マザーズ指数の13週移動平均線が上向きになるのを待ってからトレーディングを始めた方が、大きな流れの読みで間違うことは少なくなります。

 ちなみに、東証再編で4月4日に、東証マザーズと呼ばれる市場はなくなります。代わりに、東証プレミアム・スタンダード・グロースの3市場が創設されます。東証マザーズ株は、ほぼすべて東証グロース市場に移行します。今私がお話ししていることは、4月4日以降は、東証グロース市場のトレーディング戦略と読み替えていただくと良いと思います。