筆者の元に個人投資家から届いた切実な悩み

 先日、筆者の元に個人投資家の方からこんな質問が届きました。(筆者にて一部表現など改変しています)

「成長株を買ったら、年明けから2週間ほどで買値から40%ほど暴落し、損切りできずに塩漬けになっています。塩漬け株についてはどうすれば良いでしょうか? もう見るのも嫌になって完全に放置しています。すぐに使うお金ではありませんが、機会損失を考えた時にいったん決死の損切りをすべきでしょうか。しかし損切りすると今までの利益の数倍が吹っ飛びます。それとも3年くらい眠らせてみるという手もありでしょうか? アドバイスいただけると幸いです。」

無責任なアドバイスはできない

 この質問を読んで、筆者が思ったのが「またか…」という感情です。個人投資家の方から寄せられる質問、相談で圧倒的に多いのがこの「塩漬け株への対処法」なのです。

 足元ではマザーズ指数が3カ月で42%もの下落をみせていて、当然ながら個別銘柄も短期間で大きく株価が下がってしまっています。この間、株を買って保有しつづけていたら、いとも簡単に塩漬け株ができてしまいます。

 塩漬け株の対処法については、色々な専門家がアドバイスしていますが、例えば「業績が良い銘柄なのであれば、そのうち戻るだろうから我慢して保有しましょう」という無責任なアドバイスは筆者にはできません。

 なぜなら、業績が良い銘柄を保有し続けた結果、株価が戻るどころか業績がピークアウトして、さらに株価が下落してしまい、もはやどうすることもできないケースを何度も目にしてきたからです。

 塩漬け株を作ってしまった方に対し、対処法の完璧なアドバイスはできないというのが正直なところです。確かに3年我慢して保有すれば株価は戻るかもしれないし、さらに株価が下落してしまうかもしれません。そんな不確実な状況の中でのアドバイスは、「根拠の乏しい単なる予想」にしかなりません。