先週の株式市場はようやく落ち着きを取り戻しました。ただし、さまざまな「外患」があり、今週2月7日(月)から10日(木)の株式市場は依然、不透明な展開になりそうです。

旧フェイスブック急落 バブル崩壊の前兆か?

 先週の日経平均株価は週前半の3日間で816円も上昇。週後半は反落したものの、2万7,439円で取引を終了しました。

 年初から実に20%以上急落していた東証マザーズ指数も先週は下げ止まり、4日(金)は今年に入って初めて前週末比5.8%上昇。市場の安堵(あんど)感につながりました。

 先週の株式市場を動かしたのは、米国巨大IT企業が発表した2021年10-12月期決算です。

 日本時間2日(水)早朝に発表された米グーグルの親会社アルファベット(クラスA・GOOGL)(クラスC・GOOG)の決算は、ネット広告収入を好調に伸ばし、売上高、純利益ともに前年同期比30%以上増加して四半期ベースで過去最高を更新しました。

 発表直後に取引が開始された2日(水)の日経平均株価も朝方から大幅上昇しました。

 しかし、その後は真逆の展開に。

 米IT(情報技術)大手メタ(旧フェイスブック、FB)が2日(水)発表した決算は、純利益が前年同期比で減益。減益は10四半期ぶりでした。

 同社の株は3日(木)の米国市場で前日比26.4%安の大暴落。 2,370億ドル(約27.3兆円)の時価総額がたった1日で消失しました。

 これは1日の減少としては米国市場過去最悪。まさに“バブル崩壊”の前兆のような急落でした。

 投資家の間には「もうSNS(交流サイト)などネット関連株はこれまでのように成長しない。株価はバブル」といった声もあり、今後も「メタショック」は投資家心理に影を落としそうです。

 しかし、その暗い雰囲気を払拭(ふっしょく)したのがアマゾン・ドット・コム(AMZN)。4日(金)朝発表した決算は、クラウド関連事業がけん引役となり純利益が予想を上回りました。

 同社の時価総額は4日(金)の株式市場で、約1,910億ドル(約22兆円)増えました。これもまた、米国株史上最大の1日の増加額でした。

 また、4日(金)は1月の米国雇用統計も発表されました。非農業部門の新規雇用者数は前月比46万7,000人増と、市場予想の15万人増をはるかに上回りました。

 物価上昇に影響のある平均時給は前年同月比5.7%増と大幅な伸びを示しました。

 この結果を受けて、米国の長期金利の代表指標である10年物国債の利回りは1.9%台に急騰。

 金利上昇は株価の大敵であるにもかかわらず、アマゾンの好決算などを追い風にハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は上昇しました。

 先週は日本企業の2021月4-12月期決算も相次ぎました。

 2日(水)には、ソニーグループ(6758)が通期業績予想を上方修正して増配を発表。

 また、メガバンクや大手商社、日本郵船(9101)など、好決算や業績予想の上方修正を発表する企業が目立ちました。

 2022年は米国企業が国内の物価上昇やそれにともなう金融引き締めに苦しみそうですが、「相場が少しでも落ち着けば、日本株に対する見直し買いが起こる可能性が高い」と感じさせる好業績の連発でした。