ウクライナ情勢による影響を間接・直接に分ける

 ウクライナ情勢が悪化の一途をたどっています。ロシアがウクライナとの国境付近に軍を展開しはじめて数カ月が経過。現在10万人規模の部隊が集結しているとのこと。それに呼応して1月、米国政府が8,000名超の兵士を派遣できるよう準備を完了させたと、報じました。

 ウクライナ情勢は、情勢悪化→景気鈍化、ロシアに近い→エネルギーの供給減少など、複数の経路で、世界に強い不穏なムードをもたらしています。ただ、同情勢の悪化を、「なんとなく不安」「なんとなく悪いことが起きている」と捉えている人が少なくないと感じます。

 ウクライナの地理的位置や政治的特徴、主要輸出品目などを知ることで、不安の根っこが見えてきて、同情勢を冷静に見守ることができるようになると考えます。まずは、同情勢の悪化によるコモディティ(国際商品)価格への影響を、間接要因と直接要因に分けて、考えます。

図:ウクライナ情勢の悪化が与える間接・直接の影響

出所:筆者作成

 足元、ウクライナ情勢の悪化は、エネルギー価格や穀物、一部の農産物・鉱物の価格を上昇させていると、考えられます。とはいえ、上図のとおり、価格上昇が間接要因によるものなのか、直接要因によるものなのか、分かれます。