先週も止まらなかった株安。今週1月31日(月)から2月4日(金)は月が変わることもあり、明るい兆しがないわけではありません。株価急落に不安を感じられている投資初心者の方にも、わかりやすく最新状況をお伝えします。

3月、米利上げ方針。FRBの「タカ派」色が鮮明に

 先週の日経平均株価は26日(水)までは下げ過ぎの反動もあって、なんとか2万7,000円台で踏みとどまっていましたが、27日(木)に841円安の2万6,170円まで急落。28日(金)に547円高したものの、前週比では2.9%安と800円以上下落して終わりました。

 成長株が集まる東証マザーズは、今回の急落相場で最もダメージを受けています。東証マザーズ指数は前週比で10.1%安。まるで“落ちるナイフ”のような下落が続いています。

 株価がジェットコースターのように乱高下した元凶は、日本時間の27日(木)未明に終了した米国FOMC(連邦公開市場委員会)です。

 米国の金融政策を決めるこの重要な会合後、中央銀行FRB(連邦準備制度理事会)のパウエル議長が記者会見。

「物価上昇率が、FRBの長期目標である2%を大きく上回る状況を考えると、まもなく利上げするのが適切」と話し、3月に利上げを始める方針を示しました。

 また、「金融政策には迅速性が求められる」という発言が、インフレが収まるまで矢継ぎ早に利上げを続ける意向と受け取られ、米国株は記者会見中に急落。

 翌日の日本株も大きく下落することになりました。

 27日(木)に発表された米国の2021年10-12月期実質GDP(国内総生産)速報値は、前期比年率換算で6.9%増と予想を上回って景気が加速。

 28日(金)に発表された米PCE(個人消費支出)デフレーターは、前年同月比5.8%増と、実に39年ぶりの高い物価上昇率になりました。

 景気がよく、原油高や人手不足が深刻で、原材料費や賃金高騰で物価がどんどん上昇してしまう……。

 パウエル議長率いるFRBはそうしたインフレの加速を抑えるため、なりふり構わず金融引き締めに走る「タカ派」姿勢を鮮明にしました。

 そうなると、金利上昇に弱い株価が調整するのはある意味、当然といえます。

 ただ、株価下げ止まりの兆しも見えてきました。

 そのきっかけは、米国の誇る2大IT(情報技術)企業、マイクロソフト(MSFT)アップル(AAPL)の2021年10-12月期の決算発表です。

 マイクロソフトが日本時間25日(火)早朝に発表した決算は、売上高が四半期ベースで過去最高を更新。クラウド関連事業を好調に伸ばしました。

 アップルが28日(金)朝発表した決算も、売上高が四半期ベースで過去最高を更新。主力スマートフォン「iPhone」の販売を堅調に伸ばしました。28日(金)、株価は7%上昇しました。

 多くの機関投資家が運用指標にする米S&P500種株価指数は28日(金)、世界で最も時価総額の大きい2社の好決算を受け、前日比2.4%超と大幅高に転じました。週間ベースでも米ダウ工業株30種平均とともにプラス圏で取り引きを終えています。