今日の為替ウォーキング

今日の一言

勝利したときも自分を見失うな。一歩ずつ歩みを進めていけば、やがてはるか遠くまでたどり着けるだろう。- ディエゴ・マラドーナ

I Still Haven’t Found What I’m Looking For

 ベビーブームとは、特定の地域で一時的に新生児誕生率(出生率)が急上昇する現象のこと。米国では第二次大戦終結後からケネディ政権発足前までの1946年から1959年ごろに生まれた世代がベビーブーマー(baby boomer)と呼ばれています。今、このベビーブーマー世代の高齢化が米労働市場において深刻な問題となっています。

 今後の雇用統計では、失業率よりも「労働参加率」が重要になります。労働参加率の上昇は賃金上昇圧力や幅広いインフレ上昇圧力を緩和する方向に働くからです。逆に労働参加率の低下は労働市場の逼迫化を意味しFRBは一段の利上げを迫られる可能性が高まります。

 11月の労働参加率は61.9%。コロナ禍前の2020年2月よりも1.5ポイント低く、いまだにその差を埋められていません。労働参加率の低迷は高齢化の進行がほぼ唯一の原因であることが明らかになっています。ベビーブーマー世代が退職年齢に差し掛かり、参加率の低い年齢層に入ってしまったことが理由です。

 人口構成が原因ならば、いくらFRBが労働市場を活性化させる努力をしたところで、労働力は元に戻らない。パウエルFRB議長は、1月FOMCの記者会見で労働参加率に触れ「ある程度の改善を信じるに足る証拠がある」と語っていますが、いつまで楽観的でいられるか興味深いところです。

今週の 重要経済指標

出所:楽天証券作成