今日の為替ウォーキング

今日の一言

絶対は絶対にない – 織田信長

Surfin’ USA

 2年前の米経済はまさに絶好調で、雇用市場では失業率が半世紀ぶりの水準まで下がり、完全雇用時代の到来と言われていました。しかし新型コロナによって、2020年のたった2カ月間で2,200万人もの職が奪われ、失業率は戦後最悪の水準まで一気に悪化しました。

 ところが、その後の反動も驚異的で、2020年5月と6月の2ヵ月間で瞬く間に雇用が30%以上も回復。

 これを景気循環と呼ぶならば、2カ月で不況と好況が切り替わったことになります。景気循環の周期は、長ければ50年、短くても40カ月というのが常識でした。経済が歴史上経験したことのない異次元のスピードです。

 米国の労働市場では、2020年5月から2021年11月までの18ヵ月間で、非農業部門雇用者数は合計約1,850万人増加しましたが、新型コロナ発生前の2020年2月前に比べるとまだ約400万人下回っています。就業者数は2021年1月から11月までの11カ月間で、毎月平均54.7万人増加しています。今後もこのペースを維持するなら労働市場がコロナ禍前の状態に戻るのは2022年7月頃になります。

 最新のFOMC議事録によると、FRBは雇用市場が完全雇用の状態に戻るのを待たず、3月には利上げするとの見方が有力になっています。FRBがコロナ対策として緊急利下げに踏み切ったのは2020年3月3日でした。それからちょうど2年でFRBは利上げサイクルに入ることになります。当時のマーケットは、世界的低金利が今後40年間続くと考えていました。

 雇用統計でパウエルFRB議長や海外投資家が注目しているのは、非農業部門雇用者数よりも、労働参加率。

 労働参加率とは16歳以上の就業可能な生産年齢人口に占める労働力人口のこと。11月の労働参加率は、若干上昇して61.8%になりました。労働参加率はコロナ禍前の2020年2月よりも1.5ポイント低く、いまだにその差を埋められていません。なぜ労働参加率かということは、12月米雇用統計詳細レポート「今年の円安を決めるのは「労働参加率」! 」をご覧ください。

来週の重要経済指標

出所:楽天証券作成