今日のレンジ予測

[本日のドル/円]

上値メドは116.65

下値メドは115.15
 

[FRB] 2022年のFRB金融政策の実権は、ブレイナード副議長とウイリアムズ連銀総裁が握る
[FRB] 将来の急激な利上げを回避できるという意味で、投資家はFRBの前倒しを歓迎

 5日(木曜)のドル/円は「円高」。高値116.18円、安値115.63円、1日の値幅0.56円。 

 2022年3営業日目は、116.06円からスタート。東京時間朝につけた116.18円が高値となり、年初来高値(116.35円)に届く前に勢いを失い、昼前に116.00円を割る。その後一度も116円台に戻すことができず未明(NY時間)に115.63円まで下落。その後やや戻して終値は115.85円(前日比▲0.26円)

 マーケットでは、FOMC(米連邦公開市場委員会)の、今年3回の利上げはすでにコンセンサスとなっています。スタート時期についても、6月からさらに前倒して3月の予想になっています。最初の利上げ幅も、25bpではなく50bpという見方も一部では出ています。

 FOMC議事録によると、バランスシートの縮小の議論も始まったことが明らかになりました。FRB(米連邦準備制度理事会)は利上げだけではなく、量的引き締め、バランスシート縮小も6月には着手する考えを持っています。それに呼応するように、米長期金利は1.7%まで上昇しています。

 何が気になるかというと、これほど強気の材料が揃いながらも、ドル/円は1月4日につけた116.35円を超えられずに足踏み状態が続いているということ。ドル強気派(円弱気派)にとっては、残念というより、やや心配になる状況です。というのは、FRBの金融政策に関していえば、織り込める者は全て織り込んでしまったからです。

 それだけに、今夜の米12月雇用統計が、新しいドル高材料になってくれる期待が高まっているようです。

 12月雇用統計に関しては詳細レポート「今年の円安を決めるのは「労働参加率」! 」をご覧ください。

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

主要指標 終値

出所:楽天証券作成

今日の為替ウォーキング

今日の一言

絶対は絶対にない – 織田信長

Surfin’ USA

 2年前の米経済はまさに絶好調で、雇用市場では失業率が半世紀ぶりの水準まで下がり、完全雇用時代の到来と言われていました。しかし新型コロナによって、2020年のたった2カ月間で2,200万人もの職が奪われ、失業率は戦後最悪の水準まで一気に悪化しました。

 ところが、その後の反動も驚異的で、2020年5月と6月の2ヵ月間で瞬く間に雇用が30%以上も回復。

 これを景気循環と呼ぶならば、2カ月で不況と好況が切り替わったことになります。景気循環の周期は、長ければ50年、短くても40カ月というのが常識でした。経済が歴史上経験したことのない異次元のスピードです。

 米国の労働市場では、2020年5月から2021年11月までの18ヵ月間で、非農業部門雇用者数は合計約1,850万人増加しましたが、新型コロナ発生前の2020年2月前に比べるとまだ約400万人下回っています。就業者数は2021年1月から11月までの11カ月間で、毎月平均54.7万人増加しています。今後もこのペースを維持するなら労働市場がコロナ禍前の状態に戻るのは2022年7月頃になります。

 最新のFOMC議事録によると、FRBは雇用市場が完全雇用の状態に戻るのを待たず、3月には利上げするとの見方が有力になっています。FRBがコロナ対策として緊急利下げに踏み切ったのは2020年3月3日でした。それからちょうど2年でFRBは利上げサイクルに入ることになります。当時のマーケットは、世界的低金利が今後40年間続くと考えていました。

 雇用統計でパウエルFRB議長や海外投資家が注目しているのは、非農業部門雇用者数よりも、労働参加率。

 労働参加率とは16歳以上の就業可能な生産年齢人口に占める労働力人口のこと。11月の労働参加率は、若干上昇して61.8%になりました。労働参加率はコロナ禍前の2020年2月よりも1.5ポイント低く、いまだにその差を埋められていません。なぜ労働参加率かということは、12月米雇用統計詳細レポート「今年の円安を決めるのは「労働参加率」! 」をご覧ください。

来週の重要経済指標

出所:楽天証券作成

今日の注目通貨:ドル/円

ドル/円:2022年の予想レンジ ↑125.00円 ↓99.14円  

 2021年の値動きを元に計算した今年のドル/円のレンジ上限のメドは125.00円。
ちなみに2021年の上限の予想は116.05円だったので、おおよそ当たっていたといえます。

 2022年のドル/円のピボット(ブルベア判断の分かれ目)は112.07円。
112.07円より上ならばドル買い優勢、112.07円より下ならばドル売り優勢。

 110円を割り、昨年の平均値109.06円を下回る相場になれば、円高勢力が強まるでしょう。今年の下限のメドは99.14円です。

129.94円 : 第4レジスタンス(HBO)

125.00円 : 第3レジスタンス

121.69円 : 2016年 高値

120.06円 : 第2レジスタンス

118.61円 : 2017年 高値
118.54円 : 第1レジスタンス

115.52円 :     2021年 高値

112.07円 : ピボット

109.06円 :     2021年 平均値

105.61円 : 第1サポート

104.08円 : 第2サポート

102.59円 :     2021年 安値

101.17円 : 2020年 安値(20年 03月09日)

99.14円 : 第3サポート

97.42円 : 2016年 安値  LAST

94.20円 : 第4サポート(LBO)

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

2021年 ドル/円データ