※このレポートは、YouTube動画で視聴いただくこともできます。
著者の窪田真之が解説しています。以下のリンクよりご視聴ください。
2022年 日経平均予想
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今日は、2020年12月29日に出した日経平均「2020年予想」の振り返りと「2021年予想」のうち、「2021年日経平均予想」のレビューを行います。それとともに、改めて「2022年の日経平均予想」をお伝えしたいと思います。

「2021年の日経平均予想」振り返り

 最初に、私が2020年12月28日のレポートに出した「2021年の日経平均予想」と、実際の日経平均推移を比較した、以下のチャートをご覧ください。

2021年の日経平均(筆者予想)と、実際の動きを比較:日経平均の実際の動きは2017年末~2021年12月28日まで

出所:2021年の日経平均予想(赤のライン)は、2020年12月28日に出した筆者予想。青のラインは実際の日経平均推移

 上のような「2021年日経平均予想」を作った理由について、2020年の12月28日と12月24日のレポートに、以下の通り、書いています。

2021年の日経平均予想の根拠を述べた部分:2020年12月28日・2020年12月24日「3分でわかる!今日の投資戦略」より、引用


(2020年12月28日レポートより)
 私は、2021年の日経平均は、9月ころに3万円に達すると予想しています。日米欧でワクチンの大量供給が実現し、コロナが徐々に収束に向かうことを前提としています。ワクチン効果で、2021年に世界景気の回復が継続すると予想しています。

(2020年12月24日レポートより)
 私が、1年間の日経平均予測を作る時、最初に考えるのは、世界および日本の景気動向です。日経平均は、景気変動をおおむね半年~1年先取りして動く傾向があるからです。私は、2021年は世界景気が急回復、年末にかけて米国などでやや過熱するとみています。2022年は、その反動で世界景気が減速すると予想しています。
 2021年の9月までは、2021の世界景気回復を織り込み、世界的に株高トレンドが続くと予想しています。ところが10~12月は、2022年の世界景気減速を織り込み、世界的に株安となると予想しています。

レポート全文は、以下からお読みいただけます。
2020年12月28日:日経平均「2020年予想」の振り返りと、「2021年予想」
2020年12月24日:2021年10大予測:日経平均どうなる?コロナは?米中関係は?水素活用進む?

 それでは、2021年の日経平均株価予想を、実際の動きと比較して、振り返ります。

【1】2021年前半は、予想と異なる展開に

 予想では、日経平均は、年初いったんスピード調整してから上昇して、9月に3万円に到達するとしていました。
 実際には、スピード調整せずに上昇が続き2月16日に一時3万714円まで上昇しました。その後、過熱感が強まって、8月までスピード調整が続きました。
 世界景気回復への期待を日経平均はあっさり2月で織り込んでしまいました。実際、欧米の景気回復が顕著となりましたが、ワクチン接種の遅れた日本では、緊急事態宣言が4回も出され、8月まで内需回復が遅れました。それを嫌気して、2月から8月の日経平均は調整が続きました。

【2】2021年後半は、予想に近い動きに

 2021年後半は世界景気回復に加えて日本でもワクチン接種が進み、消費回復の期待が高まりました。それを受けて、9月14日に日経平均は2021年の最高値となる3万795円を一時つけました。世界景気回復を好感して9月に高値をつけるという考えは合っていました。
 年末にかけて米景気に過熱感が出て反落するという見通しも、細かい内容の相違はありますが、おおむね正しかったと思います。FRB(米連邦準備制度理事会)がタカ派に転換して、テーパリング加速を決め、来年にも利上げが見通されることとなったことが影響したと思います。