米利上げのペースは?FOMCの「ドットチャート」に注目! 

 今週は、日本時間16日(木)未明に終了する米国金利政策の決定会合、FOMC(連邦公開市場委員会)が最大の目玉になります。

 11月30日の米国議会証言で量的緩和の縮小(テーパリング)時期の前倒しを表明し、金融引き締めを急ぐ“タカ派”に転換したパウエル議長がどんな発言をするのか?

 大方の市場予想は、量的緩和の終了時期を当初予定の6月末から3月末へ前倒し、2022年中に年3回の利上げ、というものです。

 それ以上の“タカ派”発言があった場合、世界の株式市場は再び乱高下に見舞われる可能性もあります。

 今回のFOMCでは参加した理事が今後の政策金利見通しを示す「ドットチャート」という表も公開されます。

 多くの理事が2022年中に3回、もしくは4回の利上げを予想するなど“タカ派”色の強い見通しになると株価急落も考えられるでしょう。

 15日(水)夜に発表を予定する米国の11月小売売上高も、インフレの一因といえる旺盛な米国の個人消費がどれだけ高止まりするかに注目が集まりそうです。

 一方、国内では、13日(月)に日本銀行が企業に景況感をヒアリングした「日銀短観」が公表されます。世界的な景気回復に沸く製造業、コロナ禍を克服して底打ちが見込まれる非製造業ともにいい結果になれば、株価の下支え要因になるでしょう。

 中国では9日(木)、経営難に陥った不動産大手、中国恒大集団の格付けが、格付け会社のフィッチ・レーティングスから一部債務不履行に認定されました。米ドル債券の利払いが確認できなかったためです。しかし、上海株や香港株は1週間を通じて堅調な展開となりました。

 中国当局が債務再編に乗り出したことで、同社の債務不履行問題は終息に向かう可能性も高まっています。

 何はともあれ、今週の最大の焦点は16日(木)未明に判明する米国FOMCの結果発表。

 テーパリング前倒しや早期利上げで米国株が急落するか、それとも「すでにそれらは織り込み済み」と見なされて上昇するかが一番の見どころです。

 米国株が上昇に転じれば、年末年始に向けてさらに続騰する可能性も高く、年末年始には日経平均の3万円台回復に期待がかかります。

 逆に急落するようなら、12月いっぱいは波乱含みの展開が続くでしょう。

 株式市場にとって、天下分け目のFOMCとなりそうです。