今日の為替トレッキング

今日の一言

愛こそがすべてだと今でも思っている。でもそう言うだけで実現できるとは思っていない。というか、われわれ全員にとって必要なのは愛であるという事実を今でも信じている – ジョン・レノン

Come Together

 来週は、FRB(米連邦準備制度理事会)、BOE(イングランド銀行)、ECB(欧州中央銀行)、SNB(スイス国立銀行)そして日銀、あるいはトルコ中銀など、主要中央銀行の2021年最後の会合が集中します。

「コロナ対策は完了した、これからはインフレ対策だ」と宣言して、量的緩和政策を縮小し金融政策を引き締め方向へとシフトしようしたタイミングでのオミクロン変異株の出現。

 オミクロン変異株は、すでに深刻な状況となっている流通網の目詰まりをさらに悪化させてコストプッシュ・インフレが一段と上昇する可能性が指摘されています。ドイツの10月物価はすでに前年比+6.0%になり、1993年以来最大の上昇率。スペインは30年ぶりの高水準までになっています。その一方で、オミクロン変異株による移動制限が再び強化が、世界経済の回復を遅らせるとの意見も無視できません。中央銀行は難しい選択を迫られることになるでしょう。

 経済ダメージが深刻になれば、中央銀行は「コロナ・シフト」の緩和政策を継続することになります。つまり、量的緩和の延長、利上げの延期です。

 しかし、ワクチンの開発などで感染、重症化リスクが減少して、その先に待っているのは何か?急激で大幅な金融引き締めです。FRBが利上げ前倒しに踏み切った場合、それはドル高材料である一方、株式市場にとっては強烈な逆風になるでしょう。

 そのなかで日銀だけは、「金融政策運営は現行の金融緩和を粘り強く続けていく」と宣言しています。2年後も金融緩和を続けている中央銀行は、日銀だけかもしれない。20年間も一貫して量的緩和政策を続けている日銀はある意味透明性があるとの評価で、リスクオフのときの円買い理由になったりします。

出所:楽天証券作成