3.感染状況と株式市場のパフォーマンスは逆説的 ウィズコロナ政策は感染を再拡大させる一方、経済の活発化が株式市場に好影響をもたらす可能性がある

 図表3は、地域別に見た株式市場の年初来のパフォーマンス状況です(現地通貨ベース)。マーケットの動きは二極化しており、新型コロナの新規感染者数が多い欧州や北米のパフォーマンスが良く、感染がほぼ収まっていると見られるアジアやアフリカが小幅な上昇にとどまり、ワクチン接種先進国であるチリなどが含まれる南米のパフォーマンスはマイナスとなっています。

 確かに、欧州での感染再拡大は足元で急拡大しており、マーケットもごく足元の動きでは調整含みとなっています。しかし、欧州とアジアの年初来パフォーマンス格差は15%ほどあり、格差は大きいと考えて良いと思います。

 以上から想像できることは、既にマーケットは新型コロナウイルス・パンデミックから離れ始めており、コロナ感染が多くてもそれほど問題視しない「ウィズ・コロナ」の時代を織り込み始めたのではないかと思います。

 以前も紹介しましたが、欧州ではワクチン接種拒否者の割合が相対的に多く、ワクチン接種率が十分に高まらないことで感染が広がっていますが、接種者は感染したとしても重症化しないという事実や、来年には経口治療薬もできるような話もありますし、マーケットはコロナを大きな問題と捉えなくなってきたのかもしれません。

 長らく悩みの種であった新型コロナウイルス・パンデミックも、「マーケット」という観点で見れば、そろそろ卒業というステージに入っていくのかもしれません。「コロナが広がっているから買えない」とは言い切れないことを十分に頭に置いて投資判断をしていく必要があるでしょう。

 ということで、今回は、「ウィズ・コロナ」の時代の世界経済の回復を見据えて、欧州株と北米株がおおむねセットになった外国株式ETF(上場投資信託)を挙げておきます。

[図表3]地域別株式市場の推移

(期間)2020年12月31日~2021年11月24日、日次
全てMSCI株価指数:アフリカ=MSCI South Africa Index、アジア=MSCI AC Asia Pacific Local、欧州=MSCI Europe Local、北米=MSCI North America Index、南米=MSCI EM Latin America Local
(出所)野村アセットマネジメント作成

<関連銘柄>
NEXT FUNDS 外国株式・MSCI-KOKUSAI指数(為替ヘッジなし)連動型上場投信(証券コード:2513)
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