2.コロナ感染上位国は欧州一色 国別にみると、欧州の感染再拡大の状況はさらに厳しい
図表2は、国別に見た新型コロナウイルスの感染状況とワクチン接種完了率です。人口が約500万人以上の国を対象とし、11月20日現在でランキングにしてみましたが、上位10カ国は全て欧州諸国です(スロバキア~ドイツ)。
11月22日から再度のロックダウン(都市封鎖)に入ったオーストリアは第2位で、1日当たりの新規感染者数(100万人当たり)が1,400人を突破しています。これは、わが国で最多の新規感染者数を記録した2021年8月25日の184人(7日間平均)と比較しても、1,000人を超えるスケールの大きさが分かると思います。
一方、前述したように、ポルトガルやスペインの感染状況は欧州の中では少なめで(日本よりははるかに多いですが)、欧州全域で新型コロナウイルスの感染が激しく再拡大しているわけではないようです。
新規感染者数の差異がこれほど大きい原因は明確には分かっていませんが、ポルトガルやスペインのワクチン接種完了率が80%を超えており、左側に並ぶ上位国よりもやや高いことは、事実として見ておいても良いかもしれません。
また、スロバキアやチェコはこれまでの累計感染者数が人口比で20%近くに達しており、そもそも感染が広がりやすい国なのかもしれません。オーストリアは累計感染者数こそ11%強と欧州平均並みですが、この両国に隣接している地理的要因のために、経済活動正常化の影響が出ているのかもしれません。