ナスダック100とS&P500の利益成長予想を比較する 

 実際、業績の伸びでナスダック100指数が市場平均を凌駕しています。図表4は、ナスダック100指数ベースとS&P500種指数ベースの暦年EPS(1株当たり利益)について、過去10年(2011年以降)の実績と2021年から2023年までの見通し(市場予想平均)を示したグラフです。

 2020年はコロナ危機で低調を余儀なくされましたが、そうしたなかでも業績堅調が続いてきたGAFAM(アルファベット、アップル、フェイスブック(メタ)、アマゾン・ドット・コム、マイクロソフト)、テスラ、エヌビディアなど主力IT大型株で構成されるナスダック100の全体的な業績は、2021年に続き2022年や2023年も最高益を更新する見通しとなっていることがわかります。10月に発表された大手IT企業の第3Q(7-9月期)決算やガイダンス(業績見通し)も総じて好調でした。

 今後も個人向けECや法人向けクラウドサービスの需要拡大が続くとみられ、5G(高速通信規格)普及をテコにしたIoT、DX、AI、EV、メタバース(仮想現実)の進展とその相乗効果でナスダック100指数ベースの利益見通しはS&P500種指数ベースの利益見通しよりも向上しています。

 FRBや民間エコノミスト予想にもとづけば、2022年も米国債券市場では比較的低位の順イールド(短期金利<長期金利)が維持される見通しです。FRBの金融正常化や債券市場が大きく変化しない限り、業績相場に乗るナスダック100指数のリターンがS&P500種指数を上回る中期トレンドが続くと考えています。

 ナスダック100指数は、今後も短期的な調整を交えつつ、2022年末までには1万8,000から1万8,500ポイント程度まで上昇していく余地があると予想しています。

<図表4:ナスダック100の業績は一段の向上へ>

(出所)Bloombergより楽天証券経済研究所作成(2021年12月1日)

 こうしたナスダック100指数に連動した投資成果を目指すインデックスファンドとしては、東証上場ETF(上場投資信託)では「NEXT FUNDS NASDAQ100連動型上場投信」(コード:1545/運用は野村アセットマネジメント)などがあります。

 また、米国上場ETF(米国籍ETF/ドル建て)としては「インベスコQQQトラスト・シリーズ1」(ティッカー:QQQ/運用は米国インベスコ)があり個人投資家に人気です。

 さらに、国内の追加型投資信託(販売手数料無料)としては「iFreeNEXT NASDAQ100インデックス」(運用は大和アセットマネジメント)もあります。

 ナスダック100指数に連動を目指すインデックスファンドを活用し、長期的視野に立った定時定額投資を実践することで、「貯めながら増やす資産形成」を目指したいと思います。

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