ナスダック100とS&P500の優劣を占うための検証 

 本年だけでなく、昨年(2020年)の暦年騰落率でもナスダック100指数は+47.6%とS&P500種指数(同+16.3%)を大きく上回りました。図表2は、過去10年における米国と日本の主要株価指数の年率平均トータルリターン(配当込みの年率平均総収益率)を比較したものです。

 こちらでも、ナスダック100指数のリターンが、ナスダック総合指数、S&P500種指数、NYダウ(ダウ工業株30種平均)などの米国株指数や各種日本株指数より優勢だった実績が示されています。

 ナスダック100指数は、毎年12月に銘柄の入れ替えが実施されます。新陳代謝と変動を繰り返しながら、長期パフォーマンスでS&P500種指数を凌駕(りょうが)してきた事実を検証することができます。これらは過去の実績であり、将来の投資成果を確約できるものではありませんが、2022年もナスダック100のリターンがS&P500を上回る可能性が高いと考えています。

<図表2:ナスダック100は「10年総収益率」でも優勢>

*上記は配当込みの年率平均総収益(トータルリターン)で比較
(出所)Bloombergより楽天証券経済研究所作成(2021年12月1日) 

 図表3は、ナスダック100指数の1991年初からの推移を対数チャートで示したグラフです。約30年にわたる長期市場実績で、ナスダック100指数は約80倍に成長してきました。この間の平均リターンを年率換算すると+17.1%でした(配当収益は除く)。

 同指数は、米国のイノベーション(技術革新)と成長企業が生み出す果実を着実に取り込んできた株価指数として知られています。ナスダック100は市場平均(S&P500種指数)と比較して「ハイリスク・ハイリターン」が特徴。

 ナスダック100は、リスク(リターンのぶれ)が市場平均より大きくなる局面はあったものの、長期では高いリターンが期待できるグロース株(成長株)の特徴を象徴してきました。

 このことが、定時定額(積立)投資をする場合のメリットとされる「ドルコスト平均法」や「複利運用(雪だるま)」効果を期待させる特徴とみなすこともできます。

<図表3:ナスダック100は過去30年で約80倍に成長した>

(出所)Bloombergより楽天証券経済研究所作成(2021年12月1日)