DCとつみたてNISA、中身は何を選ぶべき?

 続いて、つみたてNISAとDC両方での積み立てを行う場合、中身は何で運用すればよいのでしょうか。

 つみたてNISAに関しては、対象商品に厳格な制約が設けられており、金融庁が適格と認めた商品のみ。その大多数がインデックスファンド、つまり特定の指数に連動するように設計された投資信託が中心になっています。このため、つみたてNISAで長く運用する場合は、基本的にインデックスファンドで、ほったらかし投資でよいでしょう。

 前回の記事(その1)でお伝えしたように、1本で地域分散が完結できる全世界株式インデックスファンドなどが長期運用には適しているといえます。

iDeCoの特性を生かす投資先は?

 一方のiDeCoですが、つみたてNISAに比べると商品面での柔軟性があります。

 各社が提供しているiDeCoプランの商品ラインアップにもよりますが、株式のインデックスファンド以外にも、リスクの低い債券ファンドやバランスファンド、よりリターンが期待できるようなアクティブファンドが多く取りそろえられています。

 また、2022年の法改正により、自分で拠出して貯めたお金を75歳まで継続運用することが可能になるため、これまで以上に長く運用する方も増えるでしょう。逆に資金を使う予定があるため、数年後には60歳になりDCから資金を出す予定という方もいると思います。

 20~40代くらいの若い方、これから増やしていくという方は、株式のインデックスファンドやアクティブファンドなどもうまく取り入れて積極的に増やしていきましょう。

 一方、50代や60代など資金を使うタイミングが見えてきた方は、リスクを抑えたバランス型ファンドなども徐々に取り入れ、お金が必要になったときに株式相場が下落局面であっても、大きく減らさないように準備しておくことが重要となります。

最適な投資信託の本数は?

 最後に、つみたてNISA、iDeCoそれぞれで保有する投資信託の本数は、多くてもつみたてNISAとDC合わせて6本ぐらいにしておいた方が管理しやすいでしょう。いくらほったらかしといえども、定期的に資産状況を確認したり、時間がたてば徐々に全体のリスクを調整していったりすることも必要になります。

 その際に10本や20本も商品を持っていると、それぞれの値動きも追いにくく、比率の変更などの管理も難しくなってくるため、「たくさん持っていろいろな商品の値動きを楽しみたい!」という方でなければ、銘柄を分散しすぎる必要はありません。

出所:筆者作成