大型案件の抽選に当たり、1,200万円の利益を得た

──JACKさんはIPOの募集があると、必ず応募するのですか。

 いえ、すべてではないですよ。なかにはどう考えても公募価格を上回るとは思えない銘柄もありますから。その場合はもちろんスルーします。ただ、そういう銘柄は当然、不人気ですから、証券会社の営業マンから「買いませんか」と電話がかかってきたりします。

──買わないのですか?

 そりゃあ、買いませんよ。だって公募数に満たないから基本、電話をかけてくるわけです。IPOに限っては営業マンの誘いに乗るのは原則、禁物です。

──でも、シンプレクス・テクノロジーは営業マンに誘われて購入したんですよね(笑)?

 実はあのときは主力銘柄の1つが大きく下落し、含み損が数百万円に膨らんでいたんです。だから、藁にもすがる思いでしたし、よくIPOの世界も知らなかったし、新規のお客さん扱いで、結果的にはよかったわけですが、本来は証券会社から薦められることですから、やっちゃいけないことだと思います。
 もし、今、同じ状況であったら、お断りして、結果を見て、地団駄を踏んでいたと思います。

──では反対に、必ず応募するのは?

 まずはやっぱり大型案件です。誰でも知っているような大企業や有名企業、あるいはNTTのような政府放出銘柄とか。こうした銘柄は公募価格を切る可能性はとても低いと思います。日本郵政グループやJR九州、佐川急便あたりが好例ですね。私は「鉄板IPO」と呼んでいます。
 また、昨今では当選し難いですが、以下の11カ条に当てはまるものが多ければ応募しますね。

・人気のある業種である
・将来性がある
・マザーズ上場銘柄である
・CVや大株主売り抜け防止のロックアップ期間もしくは条件がある
・そもそもの公開株数が少ない
・公募株数より売り出し株数は少なめである
・業績や利益が順調に伸びている
・赤字企業ではない
・PER(株価収益率)は妥当である
・上場目的が、換金性を含め露骨ではないか
・主幹事証券会社が信頼できるか

──成功事例を教えてください。

 最近だと2012年に上場した第一生命ですかね。公募価格は14万円でしたが、「間違いない!」という確信があったので600株獲得しました。金額にすると8,400万円分です。結果、初値は16万円に。14万円から16万円なので上昇率はさほどではありませんが、大金を投じたため、手数料や税金を除いて約1,200万円の利益を得ました。

──1,200万円はスゴいですね!

 あと、2015年に日本郵政、ゆうちょ銀行、かんぽ生命保険の郵政3社が上場して話題になりましたが、このときも3社そろって初値が公募価格を上回ったため、合計335万円の利益を得ることができました。