日経平均3万円突破は米国株次第!?欧州のコロナ感染状況に注意

 今週は23日(火)が勤労感謝の日で休場になり、日本では大きな経済指標の発表はありません。

 岸田政権の経済対策の中では、GoToトラベルやマイナポイント関連はあまり材料視されておらず、唯一の成長戦略といえる「デジタル田園都市国家構想」では、ドローン宅配やローカル5Gに注目が集まっています。

 しかし、岸田政権の「新しい資本主義」「成長と分配の好循環」といったスローガンは投資家からあまり評価が得られず、過去最大といわれる55.7兆円の経済対策に対する反応も限定的です。

 一方、米国では、24日(水)に重要なインフレ指標である、10月の個人消費支出の価格指数(PCEデフレーター)が発表されます。

 9月分は前年同月比4.4%増と約30年ぶりの高水準でしたが、上昇率が加速するようだと、米国中央銀行FRB(米連邦準備制度理事会)の「インフレはコロナ禍による一時的なもの」という説明とますます、かい離してしまいます。

 そんな米国FRBでは来年2月に任期切れとなるパウエル議長を続投させるか、民主党員で女性のブレイナード理事を新たに抜擢するか、バイデン大統領が近々、次期議長を指名する予定です。

 ブレイナード氏は労働問題の専門家でパウエル議長以上に金融緩和に積極的な「ハト派」。もし指名されたら、株高が加速する可能性もあります。ただし、現状はパウエル議長の続投が濃厚といわれています。

 今週も相変わらず米国株が史上最高値を更新すると日本株は少しだけ上がり、逆に利益確定売りで米国株が調整すると大きく下げる展開が続きそうです。

 世界的に見ても突出して新型コロナウイルス抑え込みに成功している日本。本来ならコロナ明けの消費拡大を見越し、他国を上回る株価上昇が起こってもおかしくありません。

 それにもかかわらず、「きっと消費低迷で輸入原料の高騰を最終価格に転嫁できないだろう」という思惑で内需株が売られている日本の現状は相当、深刻といえるでしょう。

 欧州の新型コロナウイルス感染者急増が引き続き心配ですが、今週こそ世界有数のコロナ克服国・日本に見直し買いが入り、2カ月ぶりに日経平均株価が3万円台を回復する展開に期待したいところです。