税制優遇口座は全て活用すべき

 夫婦は、同じ価値観を共有する部分と、得意不得意を補い合う部分とがあって、人生のパートナーとなります。

 例えば、好きな映画やアーティスト、基本的な政治観などは認め合っていたほうが仲良しは続くことでしょう。一方で、お金の管理や家事分担(料理や掃除の担当)などはお互いの得意分野に委ねたほうがうまくいきます。

 なかでもお金の問題は、しばしば完全な役割分担になりやすいテーマです。どちらかが堅実だったり小まめに管理できるタイプで、どちらかは消費意欲が旺盛だったりすると自然と役割が固定化します。

 例えば、家計の管理や住宅ローンの検討、契約担当、投資の実行などは夫婦のどちらかが熱心で、一方のパートナーはむしろ無関心だったりします。

 それはそれで夫婦のバランスが取れている、ともいえます(夫婦とも浪費癖があったら大変です)。しかし、iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)やNISA(ニーサ:少額投資非課税制度)については、そうはいかないところがあります。iDeCoもNISAも、それぞれ一人一口座、原則として自分の名義でしか開設できないからです。