米国高配当株4:ノースリム・バンコープ(NRIM)

 米アラスカを拠点として事業展開しているノースリム銀行を傘下に持つ銀行持株会社で、アラスカの人口の約90%にサービスを提供しています。

 ノースリム銀行以外にもノースリム限定法定信託や、ノースリム投資助言会社などを展開しています。

 時価総額は2億8,600万ドルで、日本円で約326億円となっています。

事業の注目ポイント

 事業の中心はコミュニティーバンク事業(Community Banking:資産10億ドル未満の地域金融機関を指す)で、続いて住宅ローン貸し出し事業(Home Mortgage Lending)となります。

 コミュニティーバンク事業では、法人および個人向けにローンおよび預金商品を提供することを主な業務としており、住宅ローン貸し出し事業では住宅ローンの組成・販売を主な事業としています。

競合他社

 競合他社として、商業銀行と信託事業を行うオースタウン・ファイナンシャル・サービス(ORRF)、コミュニティー銀行サービスを提供するサミット・ファイナンシャル・グループ(SMMF)、コミュニティー指向の伝統商業銀行ビジネスを行い、個人・企業当座預金口座、定期預金などのサービスを提供するユーニティ・バンコープ(UNTY)などがあります。

株式の注目ポイント

 株価は2020年の高値を超えて推移しており、2010年以降、連続で増配しています。

 2020年に比べて住宅ローン貸し付けの利益率が増加していることや、PPPローン(Paycheck Protection Program)からの手数料収入増加と貸倒引当金が減少していることで業績が好調に推移。これに伴って株価も上昇して推移しています。

業績動向

 2021年10月29日開示の四半期決算では売り上げは市場予想を上回りましたが、EPSは下回りました。EPSが市場予想を下回ったものの、貸倒引当金戻り入れや好調な住宅ローン事業によって、2021年に入ってからの9カ月間の利益は2020年の最初の9カ月間と比較して29%増加しています。

 アラスカの経済も回復してきており、住宅ローン延滞率および差し押さえ率は、全米のほとんどの地域よりも良好な状態が続いており、今後もアラスカ経済の回復とともに底堅い業績が期待されます。

 次回2022年1月31日に開示予定の四半期決算において、市場予想を上回ることができるか注目です。

注意点

 長期金利の上昇により住宅市場に影響が出た際は、同社の業績にも影響が出る可能性があり注意が必要です。 

株価動向、配当利回り

配当:1.52ドル
配当利回り:3.26%
株価:46.55ドル(約5,300円)

 権利落ち日は12月中旬予定(権利実施は12月下旬予定)です(2021年11月16日時点で未確定。2020年12月配当を参照)。

 配当は1.52ドル、配当利回りは3.26%、株価は46.55ドルで約5,300円から購入できます(2021年11月16日時点)。

 2018年以降の最高値は47.70ドル、最安値は19.63ドルです(終値ベース)。