米国高配当株3:カナディアン・ナチュラルリソーシズ(CNQ)

 独立系エネルギー企業の大手で、北米、英領北海、アフリカ沖で事業を展開しています。

 本社はカナダにあり、カナダ国内では最大級の天然ガス・原油生産企業で、オイルサンドの採掘では世界有数の企業となっています。

 時価総額は492億ドルで、日本円で約5兆6,000億円となっています。

事業の注目ポイント

 事業の中心はオイルサンド採掘・アップグレーディング事業(Oil Sands Mining and Upgrading)で、続いて探査・生産事業(Exploration and Production)、輸送・精製事業(Midstream and Refining)を行っています。

 中心事業であるオイルサンド採掘・アップグレーディング事業ではカナダ西部に位置する世界有数のオイルサンド鉱山であるHorizon Oil SandsとAthabasca Oil Sands Projectを所有・運営しています。これらの鉱山は埋蔵量が豊富なため今後数十年にもわたってSCO(合成原油)の生産が可能となっています。

 事業の売り上げは、主に原油・液化天然ガス(Crude oil and NGLs)であり、続いて天然ガス(Natural gas)の順となっています。

出所:決算データより筆者作成

競合他社

 競合他社として、主に米国、トリニダードトバゴ共和国、中華人民共和国などの国際的な地域に位置する生産性盆地にある原油、NGL(天然ガス液)、天然ガスの探査・開発・生産・販売を行うイーオージー・リソーシズ(EOG)、西テキサスのパーミアン盆地において非在来型のオンショア石油・天然ガス埋蔵量の取得・開発・探査・搾取に従事するダイヤモンドバック・エナジー(FANG)などがあります。

株式の注目ポイント 

 株価は2020年の高値を超えて推移しており、今年に入ってから増配をしています。

 WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の価格が2020年の秋ごろから上昇するにつれて、同社の株価も上昇してきました。

 また、自社株買いも行うなど積極的な株主還元の効果もあり、昨秋以降、右肩上がりで上昇しています。今後もWTIの価格がある程度高値で推移する見通しであり、今後も堅調な業績による株価の上昇が期待されます。

業績動向

 2021年11月4日開示の四半期決算では、EPS・売上高ともに市場予想を上回りました。

 原油価格の上昇と、効率的なオペレーションにより管理コストを減少させることで業績が拡大しています。

 2050年には「Oil Sands Pathway to Net Zero Initiative」としてオイルサンド事業からのGHG(温暖化ガス)排出量を正味ゼロにすることを目標にしており、同社は環境への対策も進めています。

 次回2022年3月3日に開示予定の四半期決算において、市場予想を上回ることができるか注目です。

注意点

 配当は四半期ごとに変動しており、思ったほど配当を受け取れないことがある点には注意が必要です。

株価動向、配当利回り 

配当:1.88ドル
配当利回り:4.50%
株価:41.74ドル(約4,800円)

 権利落ち日は12月9日(権利実施は2022年1月5日)です。

 配当は1.88ドル、配当利回りは4.50%、株価は41.74ドルで約4,800円から購入できます(2021年11月16日時点)。

 2018年以降の最高値は43.59ドル、最安値は7.74ドルです(終値ベース)。