今日の為替トレッキング

今日の一言

困難の中に、機会がある - アインシュタイン

What A Feeling

 今夜は10月の小売売上高が発表されます。米国は世界一の消費大国であり、個人消費が米国GDP(国内総生産)の約70%を占めます。個人消費の動向を示す小売売上高は、米国の景気先行きを判断するための重要なデータ。また米国の個人消費は世界のGDPの約17%を占めているため、世界経済に与える影響も大きいのです。

 アメリカ人消費者はコロナ給付金という臨時収入を使い果たしまって小売売上高は減少するとの見方でしたが、9月の小売売上高は意外な強さを見せ、前月比マイナスの予想に反して+0.7%の結果でした。10月も+1.2%へ、さらに上昇するとの予想。

 コロナ移動制限の緩和が広がるにつれて、「モノ」への支出が減り「コト(サービス)」へ支出が増えるため、小売売上高の減少がすなわち米国の景気悪化とはいえません。サービスへの支出が増えることは米国経済にとっては悪いことではありませんが、米国にモノを輸出する国にとって、米国の消費後退は痛手であり、コロナからの経済回復が遅れることになります。

 しかし、消費者のセンチメントは悪化しています。週末に発表されたミシガン大学消費者態度指数は、過去10年間で最低の水準まで低下しました。その原因は「物価高」。回答者の4人に一人が「インフレのせいで来年は収入が目減りして、生活水準が下がるだろう」と、米政府のインフレ対策が遅れていることに不満を持っています。米10月消費者物価指数は大幅に上昇して、1990年11月以来約31年ぶりの6%台になっています。

出所:楽天証券作成