※このレポートは、YouTube動画で視聴いただくこともできます。
著者の窪田真之が解説しています。以下のリンクよりご視聴ください。
「 [動画で解説]三菱商事 最高益・増配予想発表で売られた理由」
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2大イベントを無事通過して日経平均上昇
先週(11月1~5日)の日経平均株価は1週間で718円上昇し、2万9,611円となりました。2大イベントを無事通過したこと、米国株の主要3指数(NYダウ工業株30種平均、S&P500種指数、ナスダック総合指数)がそろって史上最高値を更新したことから、日本株にも買い安心感が広がりました。
日経平均とNYダウの動き比較:2020年10月1日~2021年11月5日
2大イベントと言ったのは、10月31日投開票の衆院選と、11月2~3日に行われた米国FOMC(連邦公開市場委員会)のことです。
衆院選は、自民党が単独で絶対安定多数を確保し、株式市場にとってポジティブ・サプライズでした。FOMCでは、米FRB(連邦準備理事会)がテーパリング(量的金融緩和縮小)実施を決定しました。ただし、事前予想通りであったこと、パウエルFRB議長が記者会見で利上げを急がないことを強調したことから、波乱要因とはなりませんでした。
米国株の主要3指数は、景気と企業業績が好調であることに加え、テーパリングが実施されても金融緩和的状況はすぐには変わらないと安心感が広がったことから、そろって最高値を更新しました。
米政策金利(FF金利)、長期金利、NYダウ月次推移:2000年12月~2021年11月(5日)
日本企業の9月決算発表がピークを迎えつつありますが、9月決算が好調で業績の上方修正が増えていることも、日経平均の上昇に寄与しています。また、国内でコロナ感染が減少していることを受けた「経済再開・消費回復」期待も追い風となっています。