今日のレンジ予測
[本日のドル/円]
↑上値メドは114.40円
↓下値メドは112.70円
ユーロ圏のインフレ率が13年ぶり高水準。来年夏まで2%以上続くおそれ
28日(木曜)のドル/円は「円高」。高値113.87円、安値113.26円、1日の値幅0.61円。
この日は113.80円からスタート。ドル/円のパターンとして、東京市場オープン直後か午前中のうちに、その日の高値あるいは安値をつけてしまうことが多いのですが、今回も東京時間午前につけた113.87円が高値。200時間移動平均の113.95円が抵抗ラインとなって上昇を阻み、NY時間には113.50円を割り113.26円まで下落。終値は113.55円(前日比▲0.27円)
ドル/円は、先週金曜日から続く短期サポートゾーンの113.40円を一時的にブレークしましたが、NY市場引けまでに113.50円まで回復しました。113.40円の次のターゲットは12日安値の113.00円。
一方、上サイドは113.95円から114.00円がターゲット。オプションマーケットでは、ドル/円の上値余地はあまり残されていないと考えるトレーダーが増え円安ディレクションのオプションの解消が出ている模様で、114円から115円にかけてはロングガンマ。
この日行われた10月のECB(欧州中央銀行)理事会後の記者会見でラガルドECB総裁は、欧州のインフレ上昇の時期が「予想より長く続く可能性がある」ことを認めました。ECBは今回も政策金利を0.00%に据え置きましたが、マーケットは利上げが2022年末に始まると予想しています。カナダ銀行は今週の会合で政策金利を0.25%で据え置きましたが、緩和縮小は公式に終了宣言。カナダはカナダ銀行の利上げは「来年4回、再来年3回」まで織り込み済。
来週はいよいよFOMC(米連邦公開市場委員会)です。FRB(米連邦準備制度理事会)の利上げ開始時期は2022年6月まで既に織り込まれています。数ヵ月間までは2023年の予想だったので、前倒しスピードの速さに驚きます。
一方で、日銀は金融政策決定会合で0.1%のマイナス金利の維持を決定。黒田日銀総裁は「必要な時点まで現行の大量緩和政策を維持する」と述べています。世界の中央銀行がインフレ高進を懸念しているのとは対照的に、展望レポートで日銀は2021年のインフレ見通しを下方修正。金利差がFXレートに反映されるなら、一段の円安は正当化されます。日銀総裁も「海外金利の状況で次第で円安は促進」と認めています。