※このレポートは、YouTube動画で視聴いただくこともできます。
著者の窪田真之が解説しています。以下のリンクよりご視聴ください。
[動画で解説]エネルギー価格上昇が日本株に追い風、総合商社に投資機会
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日経平均の反発続く、インフレが新たな不安材料?

 米景気好調、国内消費回復の期待から、日経平均株価の反発が続いています。19日の日経平均は、前日比190円高の2万9,215円でした。

日経平均週足:2020年10月2日~2021年10月19日

出所:楽天証券MSⅡより作成

 そうした中、1つ日本および世界景気に悪影響を及ぼすのではないかと心配されていることがあります。インフレです。天然ガス・原油・石炭などエネルギー価格が想定以上に上昇し、世界的にインフレが心配され始めています。米国で5%台まで上昇したインフレ率がなかなか下がってこないことが不安材料となっています。

米インフレ率(消費者物価総合指数・前年比%):2020年1月~2021年9月

出所:米労働省

 日本は米国のように物価が上昇しているわけではないので、インフレを気にする必要はないと思いがちですが、1つ不安があります。ガソリン価格の上昇です。過去の経験則ではリッター当たり160円を超えると消費に悪影響を及ぼす傾向があります。足元、162.1円まで上昇していることが懸念材料です。

リッター当たりガソリン小売価格(レギュラーガソリン全国平均):2000年1月5日~2021年10月11日

出所:資源エネルギー庁

 少し前まで、デフレ(価格下落)こそが問題でインフレ(価格上昇)にすることが重要と、日本はもとより欧米でもいわれ続けていました。ところが、ひとたびインフレが進み始めると、今度はインフレが世界経済のリスクという話が出てきています。