良いインフレ・悪いインフレ

 インフレが良いものとして望まれたり、悪いものとして懸念されたりするのには理由があります。インフレには「良いインフレ」と「悪いインフレ」の2種類があるからです。

 世界景気が良くなり需要が拡大して物価が上がるのは良いインフレです。需要けん引(ディマンドプル)インフレとも言われます。一方、景気は良くないのに資源価格や人件費などのコストが上昇することで物価が上がるのは悪いインフレです。コスト押し上げ(コストプッシュ)インフレとも言われます。

 悪いインフレとして有名なのは1970年代のオイルショックで引き起こされたコストプッシュ・インフレです。不況とインフレが同居するスタグフレーションを引き起こしました。

 今、起こっているのはどちらでしょう? 良いインフレと悪いインフレの両方の側面があります。米国でコロナ禍から消費が急拡大しているのに供給が追い付かなくなっているために起こっているインフレは、需要けん引インフレです。一方、世界的に天然ガス・原油・石炭などエネルギー価格が上昇していることは、コスト押し上げインフレにつながる可能性があります。