今日の為替トレッキング

今日の一言

人は望みどおりの結果を得られもするが、たいていは手に入れられるものを手に入れるだけだ

Rag Doll

 9月の米雇用統計は、8月に続いて雇用者数が伸び悩み、NFP(非農業部門雇用者数)は19.4万人増にとどまりました。パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)が以前に呟いていたような「月100万人の雇用増」とは逆の方向に向かっています。

 ではFRBは、緩和縮小開始を延期するのか?FOMC(米連邦公開市場委員会)議事録によると「雇用市場には著しい進展が見られる」と、あくまでも強気。11月からの緩和縮小はほぼ確実です。

 雇用市場の勢いが弱まっているのに、なぜ? たしかに、8月と9月の非農業部門雇用者数の増加は予想を大きく下回りました。とはいえ、雇用者は毎月平均して54万人も増え、1年前は8%だった失業率は4%台に下がっています。労働賃金も上がっている。2020年にコロナ下に比べると、経済は明らかに改善しています。

 一方、FRBに限らず、世界の中央銀行の殆どは、2020年のコロナ対策としての緩和政策を変えずに今も続けている。FRBの政策は現状経済にそぐわない、つまり緩和的すぎるので、政策を調整する必要があります。それが緩和縮小の理由です。