中国不安続くが、米国の不安は低下
2021年の日経平均の動きを、景気循環の視点から、より詳しく見てみましょう。
日本の景気を決める3大要素は、米国景気・中国景気・国内景気です。GDP(国内総生産)ランキング世界トップの米国の影響が極めて大きいのは自明です。続いて、GDP世界2位の中国の影響が大きく、最後に日本の内需の影響を受けます。その3つで、日本の景気はほぼ決まります。
日経平均週足:2021年1月6日~2021年10月15日
【1】2021年3~8月:日本の不安で下落
ワクチン普及の遅れで緊急事態宣言が解除できない日本の消費停滞が続く懸念、菅元首相のもとで自民党が衆院選に大敗する懸念から日本株が独歩安となりました。米景気過熱の不安、中国景気減速の不安もありましたが、この時点で米国株の最高値更新が続き、日本株の独歩安となっていたことを考えると、日本の要因が日経平均下落の主因だったと考えられます。
【2】2021年8月末~9月:日本の不安低下で急反発
菅内閣退陣により、新しく選ばれる総裁のもとで自民党が衆院選を乗り切り、大型経済対策を発動する期待と、ワクチン普及が急速に進んだ効果による経済再開期待から日経平均は急反発しました。米国株が調整し始める中での日本株の独歩高でした。
【3】2021年9月27日~10月8日:中国・米国の不安から急落
中国恒大が破綻する不安、米債務上限問題に対する不安などから、日経平均は急反落しました。
【4】2021年10月11~15日:米国の不安が緩和し反発
米国景気・企業業績が好調であることを再確認、米景気が過熱する不安も低下し、米国株が反発。それを受けて、日経平均も反発。