今日の為替トレッキング

今日の一言

相場観は重要だが、思い込みはダメ

The Power of Love

 FOMC(米連邦公開市場委員会)は、9月の会合において、政策金利であるFF(フェデラル)金利の目標誘導レンジを、0.00%から0.25%の間に維持することを決定。そして、この目標誘導レンジ水準を「労働市場の状況が最大雇用と評される水準に達し、インフレ率が2%の水準に到達して、なおかつ当面の間2%をやや超えるような軌道に乗るまで維持することが適切である」とのFOMC声明を発表しました。

 FRBが自ら定めたこの2つのハードルについて、クラリダFRB(米連邦準備制度理事会)副議長は、「インフレの目標は大きくクリアした。雇用の目標もほぼ達成している」と述べています。

 最近2カ月の雇用統計は弱い結果でしたが、FRBは「著しい改善を示している」ので問題なしとの判断。インフレについては、9月消費者物価指数が下落の予想に反して堅調。インフレが中古車価格など一部の商品だけではなく、広範に対して上昇していることが示されました。

 この日発表されたFOMC議事録では、緩和縮小が今年11月中旬に始まることが確認されましたが、特にサプライズはなし。すでにマーケットの関心は、いつ開始するかよりいつ終了するかの方に移っているからです。クラリダ副議長によると、緩和縮小の終了時期は来年半ば。そして債券市場は来年11月の米利上げを織り込みはじめています。

 FRBはなぜ、それほど早く緩和縮小を早く完了させたいのか。前回コアPCE(個人消費支出)インフレ率が2%を超えたのは2018年で、その時は数カ月しか続きませんでした。2%が3年以上続いたのは、15年間一度もない。この機会を逃すとインフレ率が下がって緩和縮小ができなくなってしまう。つまり、FRBはインフレが「一過性」という考えを捨てていないということです。