未経験者・初心者に教えたい、投資を続けるコツ!

Q 投資を始めた初心者時代の自慢エピソードを教えて!
A まったく興味のない、人気薄のパチスロ業界を研究して勝てたこと!

 投資を始めた2000~2001年のころのことです。当時(今もですが)、私はまったくパチスロをやらないので、業界事業を知りませんでした。

 サミーのYahoo!掲示板で、ディスクアップ、獣王というパチスロ機がヒットしていることを知り、パチスロ店の様子を見たり、P-WORLDという業界サイトで設置台数を調べたりして、サミーのパチスロ機のヒット具合を知り、好業績を予想してサミーに投資し、大きな利益を得ました。

 また、Yahoo!掲示板で知り合った投資家との交流の中で、株式投資のスキルを学んでいきました。

 また、当時、焼肉の「牛角」が人気で行列していました。ただ、2001年9月に日本で狂牛病(BSE)の牛が見つかり、牛角をはじめとした焼肉屋に客がいなくなりました。

 ただ、狂牛病の被害が大きいのはイギリスで、当時、牛角は狂牛病リスクが低い国産牛を利用していたと記憶しており、風評被害が解決すれば客足は戻ると考えて、レインズインターナショナル(牛角を展開する飲食チェーン企業。現在は上場廃止)に逆張り投資して成功しました。

Q 投資を始めた頃の失敗談&教訓を教えて!
A 始めた時期がちょうど波乱相場。運がよくてたまたま退場しなかっただけ

 2000年5月に株式投資を始めたこと自体が、タイミングとしては失敗だったと思います。

 日経平均株価が2000年5月の約1万8,000円から2003年4月28日の7,603円へ、3年間で半分以下となる厳しい相場でした。日経平均の下落率はリーマンショック並みでした。

 普通であれば、大損して投資をやめることになったはずだと思います。ただ、たまたま投資銘柄が良かったのと、給料からの追加入金で利益を出すことができましたが、正直「運」の要素も大きいと思います。

 おそらく、私と同様、投資雑誌の創刊やネット証券の創業といった金融ビッグバンに刺激を受けて株式投資を始めて、下落相場で損して退場した人も多いのではないかと思います。

 また、前述通り、サミー株のパチスロ機ヒットで利益を出すことができましたが、当時1銘柄60万円上限という自分ルールを作っており、株価上昇で60万円を上回ると売却していたため、それ以上に上昇していたサミー株の利益をMAXでは取れませんでした。

 その後、下手に上限をつくったり、リバランスしたりせず、自信があれば集中投資して、上昇する株は臆病にならず、伸ばす投資方針にしました。

 また、当時投資していた金下建設の株価上昇は、21年間も保有していたのに、株価は1.5倍と大した伸びがなく、資産バリュー株に固執していたら、今の私の資産はありませんでした。サミーで成長株の良さに気付けて良かったと思いました。

Q 投資未経験者・初心者は、まず何から始めるべき?
A 人それぞれ。ただしいきなりキラキラ銘柄を狙うのは危険

 その人に個別株投資の能力、適性があるかどうかで判断が分かれます。インデックス投資よりも利益を出せる実力があり、株式投資の調査や勉強に時間を取ることができて、やる気と継続力があれば、個別株投資が良いと思います。

 ただ、初心者時代は知識や経験が不足しており、失敗する可能性が高いと思います。比較的失敗しにくい資産バリュー株で慣らし運転をしながら、事業や業績の分析方法を学び、徐々に成長性を加味した投資に入れ替えていくと良いと思います。

 最先端イメージが強いキラキラした割高成長株、未知要素が多いIPO株(新規公開株・新規上場株式)は、魅力的に感じて投資して失敗する初心者も多い印象です。ベテランでもよく判断を誤ることが多いため、初心者には難易度が高いと思います。

 しかし、一般的な傾向として、インデックス以上に利益を出せない人が多いという傾向があるので、大きく利益を上げて一発当てる、ということはあきらめ、コツコツとインデックス投資をするのも良いと思います。

 その場合、つみたてNISA(ニーサ:少額投資非課税制度)やiDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)といった、金融庁が用意してくれた、節税効果が高い仕組みを最大限活用すると良いと思います。

 全世界型インデックスファンドに積立投資をすると、入金する資金を用意するだけで、投資のために行う雑事が驚くほど減ります。

Q これから投資を始める人に向けて、投資方法のアドバイスを!
A 勝つことより負けないことを優先すれば自分のペースが分かってくる

 初心者に限りませんが、株式投資は勝つことより失敗しないことを優先した方が良いです。

 買う時は、買った後に株価下落したときの対処方法を考えて、他人に説明しても納得させられるような、株価が元に戻る明確な根拠があることを確認しましょう。バリュー株なら割安さ、成長株なら業績成長の確度や事業の将来性などです。

 また、初心者には、短期で大もうけを狙う人が多い印象です。定期預金では0.1%の金利で満足していた人が、なぜか、株式投資では1年で2倍を目指したりします。

 短期で大もうけを狙うと、激しい値動きを追い求めて、仕手株(巨額の資金を用いて、高値になるように誰かが意図的に操作した株)のような急騰銘柄を天井掴み(相場の一番高いところで買ってしまうこと)しがちです。

 また、欲を出しすぎると悪材料やリスクを軽視し、不用意なポジションを持ちがちです。

 勝つ投資より、負けない投資を行い、他の投資家の注目を浴びるような好業績や好材料が出るのを待ち、時間をかけて複利効果で少しずつ増やしていくのが良いと思います。負けなければ自然と勝てます。