今日のレンジ予測

[本日のドル/円]

上値メドは110.50

下値メドは108.55

FRBの緩和縮小は、米債券発行量に合わせた調整の一環

 20日(月曜)のドル/円は円高。高値110.04円、安値109.32円、値幅は0.71円。 

 先週後半のマーケットは、米8月小売売上高が予想を大きく上回る結果となり米長期金利が1.34%に強含んだことでドル高に動きました。この流れを引き継ぎ、週明けは109.91円からスタート。

 東京時間午前中に110円にのせ10.04円をつけましたが、先週の高値水準の110.15円の手前で失速。マーケットの関心はFOMC(米連邦公開市場委員会)よりも中国の大手不動産開発会社、恒大集団の破綻リスクで、リスク回避姿勢の強まりと共に円高へ動き、NY時間午後にはダウ平均株価が一時970ドル下げたことに連れ109.32円まで下落。終値は109.38円(前日比▲0.60円)。ドル/円はレンジを抜けたわけではなく、109円台を維持していますが、上値は重い。

 今週の東京市場は「シルバーウィーク」の大型連休で、営業日は今日を含めて3日間しかありません。しかし、投資家に休む暇はありません。なぜなら9月の超重要イベントがこの週に全集中しているからです。一晩で髪の毛が全部シルバーになってしまうことが起きるかもしれない。

 中央銀行の政策では、RBA(豪準備銀行)議事録、日銀金融政策決定会合を皮切りに22日はFOMC(米連邦公開市場委員会)、パウエル議長の記者会見、そして利上げ見通しを示すドットチャートの公表。翌23日にはSNB(スイス国立銀行)、BOE(イングランド銀行)、ノルウェー中銀が政策金利発表。新興国通貨では、SARB(南ア準備銀行)とトルコ中銀(CBT)が政策金利発表。トルコ中銀には利下げの噂。

 経済指標では、ECB(欧州中央銀行)が注目する景気指標PMI(購買担当者景気指数)。ドイツIFO景況感指数、日本は全国CPI(消費者物価指数)を発表。ECBは利上げ前倒し観測がでているなかでユーロの反応に注意。

 さらに週末26日にはドイツ総選挙。与党保守党CDS/CSUの敗北が濃厚と伝わっていて、中道左派が第一党になれば16年ぶりの政権交代。メルケル首相は政界引退を発表。政治体制の変化は、ドイツ国内だけではなくユーロ全体に影響します。

 しかし、それらすべてのイベントが霞んで見えるほど重大な事案が発生しようとしています。それは中国恒大集団の経営破綻危機。中国は中秋節で今日まで休み。東京市場が休みの23日に恒大集団が米ドル債の8,353万ドル(約92億円)の利払いができるかどうかが大きなカギとなります。

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

主要指標 終値

出所:楽天証券作成