先週はドル全面高、円全面高の展開

 先週はドル全面高、円全面高の展開でした。ドル/円は、株高と金利上昇を受けて1ドル=110円台半ばに上昇しましたが、結局勢いは続かず、再び109円台に下落しました。その後110円を挟んで動いていましたが、14日の米8月CPI(消費者物価指数)を受けて、109円台半ばまで下落しました。

 米8月CPIは、前年比+5.3%でしたが、コアCPIが+4.0%と前月よりも鈍化し、予想も下回りました。コアCPIの前月比も+0.1%と前月+0.3%から上昇率が鈍化し、物価の一服感を示すような結果となりました。この数字を受けて金利は低下し、ドル安となりました。

 そうはいっても、これまでの中心レンジ109.50~110.50円をブレイクしていない状況ですが、CPI発表後上昇したNYダウがその後下落した動きをみていると、レンジをブレイクするような気配はありそうです。米議会民主党が発表した増税案が重しになったという見方があるようです。

 今週は14日(火)の米CPIの他に、16日(木)米小売売上高、17日(金)ミシガン大学消費者信頼感指数と重要指標が続きます。小売売上高は前月マイナスでしたが、改善されるのかどうか、あるいはデルタ株の感染拡大を受けて消費行動に影響がでているのかどうか注目です。

 また、先月、10年振りの低さだったミシガン大学消費者信頼感指数は、前回の修正があるのかどうか、あるいは前回の反動で大きく改善するのかどうか、それともデルタ株の影響で同じような水準もしくは悪化するのかどうかに注目です。

 そして来週には9月のFOMC(21~22日)が開催されます。FOMC(米連邦公開市場委員会)を控えているため、これらの重要指標によって相場は大きく動かないかもしれませんが、FOMCの判断を占う上でも重要な指標となります。14日の米CPIは、インフレは一時的とするFRB(米連邦準備制度理事会)の認識のひとつの確認材料になったかもしれません。

 日経平均は、31年振りの高値を付けました。首相交代による経済政策への期待や、感染者の減少と米国に迫る接種率の上昇を受けて株は買われているとのことですが、ドル/円には直接的な影響は出ていないようです。ドル/円にとっては政局よりも来週のFOMCへの関心が強いようです。