株価上昇の初動に乗るためのコツ

 では、なぜ筆者が株価上昇の初動にうまく乗れたのでしょうか。実はかなり単純なことです。

 株価上昇が始まると、強い銘柄から順次25日移動平均線を超えて上昇トレンドに転じます。

 筆者は投資候補銘柄をあらかじめリストアップし、これらの銘柄の株価チャートを毎日チェックしており、25日移動平均線を超えた直後の銘柄を買うようにしています。これを日々行っているだけで、株価上昇の初動に乗ることができるのです。

 ただし、この方法は毎回必ず成功するわけではありません。株価上昇が短期間で終わってしまう場合は、せっかく買った株がすぐに値下がりしてしまい、損切りとなってしまうケースも多々あります。

 例えば2021年であれば6月中旬にも、投資候補銘柄の多くが25日移動平均線を超えたため、ADA指数が70%に達するまで買いを増やしましたが、その後、株価が失速したため損切りしたこともあります。

 つまり、株価上昇の初動では、強い銘柄から次々と株価が25日移動平均線を超えて上昇していきますが、株価上昇が長期間続くか、すぐに終わってしまうかは後になってみないとわからないのです。

 ですから、大きな株価上昇の初動である可能性があるならば、とりあえずは株を買ってみて、株価上昇が続けば持ち続けて利益を伸ばし、株価上昇がすぐ終わってしまったら損切りして損失を小さく抑える、ということを繰り返しているのです。

どんな銘柄に投資するのがよいのか

 株価上昇局面では、全ての銘柄が同じように大きく上昇するとは限りません。実際、現時点においても株価があまり上昇せず、25日移動平均線すら超えることができていない銘柄も結構あります。

 そして、強い銘柄ほど、株価上昇の初期段階から力強く上昇を始めるケースが多いのです。

 そこで筆者は、先ほどお伝えした投資候補銘柄の株価チャートを日々ウオッチし、25日移動平均線を超えてきた銘柄から順々に買っていきました。それにより、利益を大きく伸ばすことができたのです。

 今になって振り返ってみると、業績を伸ばしている成長株への投資が大部分になっています。

 もしこれを、「できるだけ安い銘柄を」と思って、株価が25日移動平均線の下にある銘柄を買ってしまうと、株価があまり上昇せずに株高の恩恵を受けられなくなってしまう可能性が高いです。安い銘柄は確かに安いかもしれませんが、株価が上昇しやすいわけではないからです。

 今回の株価上昇は、個別銘柄ごとの程度の差はあれ、比較的満遍なく上昇していますが、時には特定の銘柄しか上昇しないような局面もあります。ですから株価上昇の初動である、25日移動平均線超えを果たした銘柄を買っていくことが、よい結果につながると思います。

 今後も幾度も訪れるであろう、株価の大きな上昇。しっかりと上昇の初動に乗り、利益を大きく伸ばしていきたいものですね。