今日のレンジ予測

[本日のドル/円]

上値メドは110.75

下値メドは108.95

イスラエルのコロナ感染者、9月4日までの1週間で人口当たりが「世界最多」となる


 9日(木曜)のドル/円は「円高」。高値110.28円、安値109.62円、1日の値幅は0.66円。 

 この日は110.21円からスタート。東京時間朝の110.28円で早々に上昇が抑えられると、その後は米長期金利の低下に連れて南下、NY時間には109.62円まで円高になりました。しかし109.50円前後の押し目買いゾーンでは跳ね返されて終値は109.74円(前日比▲0.53円)。

 ドル/円は比較的大きく「円高」に動きました。米10年債利回り1.30%という水準は、ドル/円が110円台を維持するための必要条件。この日(9日)は一時1.28%前後まで下げたので、ドル/円も110円台を維持できませんでした。

 米長期金利の下落は調整、FRB(米連邦準備制度理事会)は予定通り緩和縮小を開始する。先週の雇用統計の結果も、米経済が力強い前進を続けるなかでの一時的な弱さ。マーケットはそう考えています。しかし、米経済回復の勢いがピークアウトした結果として米金利が低下するならば、「金利安で株高」の相関関係は崩れることになります。

 明日で、米同時多発テロ(911)から20年です。

 アメリカ軍は8月31日、アフガニスタン時間午後11時59分をもって同地から完全撤退しました。2001年9月11日の米同時多発テロをきっかけに始まった米国史上最長の戦争に、ついに終止符が打たれました。しかし、性急ともいえるアフガニスタン撤退によって、アメリカは外交戦略の国際的信用を失い、西側同盟に亀裂が走りました。中東の地政学リスクも高まっています。

 国内的にも今回の撤退作戦は問題を引き起こしています。これまで目立った失政やスキャンダルもなく、攻め手を欠いてきた野党・共和党にとっては反撃のチャンスで、トランプ前大統領は「米国に大きな恥をもたらした」とバイデン政権を酷評しました。共和党だけではなく、民主党内部からも「インテリジェンス(情報分析)に失敗があり、外交力と想像力が欠如していた」と、疑問の声があがっています。バイデン政権に対する支持低下は、米国政治の不安定化につながります。

 バイデン大統領の政策の目玉ともいえる超大型景気刺激策は、超党派による成立がさらに困難な状態になったといえます。マーケットの関心は、地政学リスクよりも、むしろこちらにあります。ワクチン展開でコロナ収束、そして景気刺激策でアメリカ経済復活、という明るいシナリオを支える材料が次々と弱まっていることはドル安につながる可能性があります。

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

主要指標 終値

出所:楽天証券作成