今日のレンジ予測

[本日のドル/円]

上値メドは110.30

下値メドは109.35

オーストラリアと中国は、あと1年間「コロナ鎖国」を続ける考え


 6日(月曜)のドル/円は、109円台後半で「横ばい」。高値109.95円、安値109.61円、1日の値幅は0.33円。 

 米8月雇用統計の腰砕けの結果を受けて先週金曜日のNY市場ではドルが下落。流れを引き継いで週明けは109.95円からスタート。東京時間朝に109.61円まで売られましたが、109.50円近辺はドル買い意欲が強く下げ止まる。雇用統計後の安値も109.59円でした。欧州時間になって反発しましたが、109.95円までで、110円には届かず。終値は109.86円(前日比+0.16円)

 米8月雇用統計は、労働力の供給不足にコロナ変異株感染拡大による需要不足が重なった結果、非農業部門雇用者の伸びが急ストップしました。しかし、その一方で求人数は記録的な高水準。悪い結果でも米長期金利は強含んでいます。雇用市場は本当にピークアウトしたのか、それとも一時的な落ち込みなのか、予測が難しい。この日のNY市場はレーバーデー(労働の日)で休場。雇用統計と緩和縮小を材料にしたマーケットは今日から始まります。

 海外マーケットが始まる前に、東京時間にRBA(豪準備銀行)の政策会合があります。注目ポイントは次のページで。

 今週は、米同時多発テロ(911)から20年。

 アメリカ軍は8月31日、アフガニスタン時間午後11時59分をもって同地から完全撤退しました。2001年9月11日の米同時多発テロをきっかけに始まった米国史上最長の戦争に、ついに終止符が打たれました。しかし、性急ともいえるアフガニスタン撤退によって、アメリカは外交戦略の国際的信用を失い、西側同盟に亀裂が走りました。中東の地政学リスクも高まっています。

 国内的にも今回の撤退作戦は問題を引き起こしています。これまで目立った失政やスキャンダルもなく、攻め手を欠いてきた野党・共和党にとっては反撃のチャンスで、トランプ前大統領は「米国に大きな恥をもたらした」とバイデン政権を酷評しました。共和党だけではなく、民主党内部からも「インテリジェンス(情報分析)に失敗があり、外交力と想像力が欠如していた」と、疑問の声があがっています。バイデン政権に対する支持低下は、米国政治の不安定化につながります。

 バイデン大統領の政策の目玉ともいえる超大型景気刺激策は、超党派による成立がさらに困難な状態になったといえます。マーケットの関心は、地政学リスクよりも、むしろこちらにあります。ワクチン展開でコロナ収束、そして景気刺激策でアメリカ経済復活、という明るいシナリオを支える材料が次々と弱まっていることはドル安につながる可能性があります。

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

主要指標 終値

出所:楽天証券作成