1.インドの新型コロナ感染状況は終息方向へ 世界の多くの地域で新型コロナの感染再拡大が起こる中、インドは終息に向かっている

 現下の世界の新型コロナウイルス感染状況は、インドで変異したと考えられている「デルタ変異株」が猛威を振るっており、多くの国や地域で感染のリバウンドが起こっています。また、わが国ではリバウンドどころか、1日当たりの新規感染者数が過去最多レベルで発生しており、感染拡大が収まらない状況です。

 図表1は、1日当たりの新規感染者数を100万人当たりの数値に調整したグラフです(7日移動平均)。ご覧のように日米では大きくリバウンドしている様子が見られます。一方、デルタ変異株の発生源と考えられているインドでは新規感染者数が減少しており、人口規模で調整した水準も、日米を大きく下回っています。

 足元のインドでは、ロックダウン(都市封鎖)などの行動制限が一部緩和されるなど、規制緩和が続いており、商業施設が開かれ、飲食店では酒類も提供されています。そんな状況でも新規感染者数が減少していることから、インドは集団免疫を獲得したのではないかと考えられ始めています。

[図表1] インド、米国、日本の新型コロナウイルス新規感染状況

期間:2020年2月1日~2021年8月22日、日次
1日当たり新規感染者数、100万人当たり、7日移動平均
(出所)Our World in Dataを基に野村アセットマネジメント作成