2021年9月の優待投資はどうするべき?

 そして、3月に次ぐ優待銘柄が多い9月です。

 現在の新型コロナ感染状況を見ると、外食での優待消費はかなり厳しいように感じます。しかし、9月権利の優待が届くのは約3カ月後の2021年12月から2022年1月ごろ。まだ外食優待の使用は難しいかもしれませんが、ワクチン接種も進み、そろりそろりと以前のような経済活動が再開されて、徐々に利用ができるようになっているのではと期待しています。

 また、銘柄の選別も一段と進み、「優待だけ」よりも「優待も・配当も」への移行、優待の廃止リスクが少ないと思われる銘柄に人気が集まることも考えられます。

 外食銘柄もメインが居酒屋店舗よりも、お酒に頼らない単一メニューのラーメン店や店内換気に優れた焼肉店、優待も出している高配当銘柄、コロナ後を見据えたレジャー・航空系、年2回優待を出していることで下落リスクが比較的少ない銘柄などを中心に、選んでみるのがいいのではないかと思います。

 そして、ご自身が「この優待が好き」「応援したい」と考える会社かどうかというフィルターも大事です。

 優待投資の楽しいところは、投資している株の株価上昇ももちろんですが、優待が届いて、「何に使おうか、どこで使おうか」とワクワクしながら計画することだと思います。そのために、それぞれができるコロナ感染対策をしっかりとして、3カ月後を待ちたいですね。

優待の内容だけではなく、危険な銘柄かどうかを確認

 コロナ禍で資金繰りに苦労していたり、債務超過が続いていても優待を出している会社もあります。『会社四季報』には「継続前提に疑義注記」や「継続前提に重要事象」と個別銘柄の記事中に記載しており、その銘柄が投資対象として「危険がありますよ」と知らせてくれています。

 あえてリスクを取り、大きなリターンを得ようとする投資中・上級者の方以外は、わざわざ危険な銘柄への投資はなるべく避けた方がいいかと思います。2020年は「買ったら上がる」状態にあった相場も、今年はなかなか手ごわいようです。

 9月の優待銘柄選びから3カ月後、優待券を使って、大手を振ってお酒を楽しみ、友人たちと2年ぶりの忘年会や新年会ができるでしょうか。それとも自粛期間が継続されているのでしょうか。

 現在はトンネルの先の光が見えながら、蜃気楼(しんきろう)のように先へ先へと移ってしまっている状態ですが、トンネルを抜けるときは一気に光が降り注ぎます。それを楽しむためにも、9月の優待投資で事前準備を整えたいですね。

 自粛、自粛で押さえつけられた欲望や欲求の塊を優待使用で爆発させたいと、切に思うこの頃です。